ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

人生のクロスロードが重なり合った夜。THE COLLECTORSのライブに行ってきた話。

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自分でも信じられないことだけれども、最後にコレクターズのライブを観たのは今から12年前、2007年2月広島クアトロでサンボマスターと対バンした時だ。

 


そして最初に彼らを観たのはそこからさらに遡ること6年前の2001年。

会場はクアトロよりもずっと小さい名古屋エレクトリックレディランドだった。

あの決して広くはないELLのステージに、長身のメンバー4人が現れた瞬間のかっこよさ!

「これがロックスターってやつか!」という高揚がずっと忘れられず、今日もクアトロまで来てしまったようなものだ。

キャリアの長いバンドは、人から聞かれた時にどうオススメするのかが難しいんだけど、コレクターズに関しては「ライブを観てくれればわかる」という答えですべてこと足りてしまう。

そんなバンドなのに、ここ数年はまったく予定が合わず、より熱心なファンである妻の留守番という地位に甘んじてしまっていたのだ。

 

 

ほぼ開演時刻ぴったりにメンバー登場。

ソールドアウトのフロアーは大盛り上がり。


グリッターなジャケットに身を包んだリーダーはめちゃくちゃ元気だし、コータロー君が放つ色気に至ってはもう目が合っただけで妊娠するんじゃないかというレベル。


でも、でも…今さらこんなこと言うのは本当に野暮だってわかってるんだけど、やっぱりあの四人じゃない…という気持ちが心の片隅でシクシク痛む、というのも正直なところ。

 

不義理をした12年という時間の長さと、コレクターズの歩んできたけもの道の険しさを噛みしめる。

広島のライブの時に妻のお腹の中にいた(ことが後に判明する)娘も、もう今年12歳だもんな。

人生もバンドも、ずっとミリオンクロスロードだよ…。

 

 

しかしJEFF & coziの新リズム隊はとにかくタイトでパワフル。

THE WHOへの深すぎる愛に生きる加藤ひさしが、後ろ指をさされてでも欲しかったビートはこれか、と少しだけわかったような気になる。

 


そしてそのリズムの上で、出たばかりの新作「YOUNG MAN ROCK」からのナンバーを気持ち良さそうに歌う加藤ひさしは、今まで見たことがないくらい機嫌が良く、子供のように明るい。「青春ミラー」発売時のインストアイベントでずっと文句ばっかり言ってた人と同一人物とは思えない。

 


何度もMCで(あらゆるアーティストにとって鬼門である)名古屋公演がソールドアウトしたことの喜びと感謝をストレートに表現していて、こちらまでウルっときそうになる。

 


「世界をとめて」「ファニーフェイス」など、旧作からも何曲か演奏してくれたけど、やはり新曲を演奏している時の方がバンドのテンションが段違いに高い。俺なんかよりずっとキャリアの長そうなファンの人たちも大喜びだ。

今のコレクターズが充実ぶりを表す、実に幸福な光景。

還暦目前、結成30年を優に超えてバンド史上最大の黄金期を迎えるパイセンがいるってことの尊さよ。

 

 

 

彼らがつかみ取った夜明けと未来と未来のカタチの余韻に浸りながら、焼き鳥屋のカウンターで熱燗をキメた夜。。。