ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小沢健二「流動体について」について

小沢健二のファーストアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」は間違いなく俺の人生で最も再生回数が多い作品。 15歳の時にリリースされたこの作品に、俺の思春期は救われた、と断言してもいい。 だから、なのか、しかし、なのか。 「LIFE」以降のオザケン…

音楽の本質とはこれいかに? スティーブ・ウィット著「誰が音楽をタダにした?」

「誰が音楽をタダにした」を読みました。噂に違わぬおもしろさでした。 音声圧縮技術であるMP3の開発者、世界最大のレコード会社のCEO、そのレコード会社のCDプレス工場で発売前の新譜を違法アップロードし続ける労働者。 この三人の視点から、ゼロ年代の音…

研ぎ澄まされた言葉たち ECD「何もしないで生きてらんねぇ」

ECDの「何もしないで生きてらんねぇ」を読んでいる(発売日に買った植本一子「家族最後の日」は妻に取り上げられてしまった)。 曽我部恵一、寺尾紗穂、鴨田潤。そして最近では澤部渡もそうだったのだけれども、素晴らしい文章を書くミュージシャンはたくさ…

土岐麻子「PIINK」に大人の本気を感じた件

土岐麻子の新作「PINK」が素晴らしい。 思えば、これまでの彼女の作品には、ハイクオリティーかつ、いい意味での余裕と言うか、あらかじめ消費されることを想定した余白のようなものが準備してあったように思う(それがシリアスすぎる音楽ファンとの距離感に…

エリザベス・ペイトンを観て岡崎京子のことを考えた日の話

先週の土曜日、スカートのライブに先立って、ちょうど原美術館で開催されていたエリザベス・ペイトン展に行ってきました。 何年も前から画集を買うかどうか定期的に(Amazonとかでオススメされるたびに)迷っていたアーティストなのです。 会場には人物画を…

宇宙・日本・渋谷WWW スカートワンマンライブに行ってきた話

愛知県からはるか300キロ、スカートワンマン@渋谷WWWに行ってきました。 どうしてもこの日のワンマンだけは観ておきたかったのだ。 その理由はいくつかある。 このところのどうしようもなく退屈な生活を生き抜くための希望が欲しかったこと、最新作「静かな…