ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

2015年・2022年

2015年は2022年の自分の骨格を作った濃密な季節だった。そのことを思い起こさせる出来事が多い4月だった。 2015年最大のトピックと言えば、まずは安保法案に反対するカウンターアクションとの遭遇。結局法案は成立してしまったし、安倍晋三は居直り続けてい…

日経新聞を解約した理由

少し前に映画館で「アイの歌声を聴かせて」というアニメ映画の巨大なポスターを目にした。どこからどう見ても健全そうな雰囲気で、声優も名の知られた俳優が起用されていたので、かなり大きな資本が投じられた作品という印象を受けた。しかしそのポスターを…

映画「ハッピーアワー」体験記

濱口竜介監督「ハッピーアワー」を名古屋シネマスコーレで観た。観たというよりは体験したという方がいいだろう。映画ではなく、どこかにある現実を。 上映時間は5時間17分。休憩を入れると約6時間。もちろん自分史上最長の映画。堪え性のない私が果たしてこ…

隔離期間の記録

妻がコロナ陽性と判定され、家族全員が濃厚接触者に。下の娘と行くはずだった旅行は急遽キャンセル。隔離モードに突入。 春休みのほとんどがつぶれてしまう子どもたちには悪いが、こればっかりは仕方がない。この隔離生活を22年春休みの思い出にしてもらうし…

檸檬企画「曙の音」に行った日の話

先日配信デビュー曲も素晴らしかった檸檬のお二人が企画した「曙の音」に行ってきた。会場は金山ブラジルコーヒー。「めっちゃおいしい食べ物がたくさんあるで」という甘言で下の娘も一緒に連れ出した。 最初に登場したのは東京からやってきた(すみません愛…

初めて家主のライブを観た話

これまで二回企画されて二回ともコロナでキャンセルになった家主のライブin名古屋。まさに念願のライブ初体験。セカンドアルバムが出てようやく…である。 しかしライブは見たことはないものの、彼らの音楽は自主制作のCD-Rの時から聴いているし、配信ライブ…

Buffalo Daughterのライブを観た

うっかり発売日を忘れて一度はソールドアウト。定員が追加されたおかげでなんとか観れたBuffalo Daughterのライブ。ため息が出るくらいにカッコよかった。最新作『We are the times』は2021年屈指の名作だと思うんだけど、あの緻密に構築されたサウンドを、…

大友良英・細田成嗣 対談「内田修ジャズコレクションの価値とは」

私の住む愛知県岡崎市は「ジャズの街」を自称していて、駅前の地下道の壁にジャズを演奏する人が描かれていたり、年に一度ジャズフェスティバルが開かれたりしている。 なぜ「ジャズの街」かと言うと、1960年代から自身が経営する病院の中にスタジオを作るな…

臆病で利己的な私がこの一週間考えていること。

民主主義とは何か。そんな雑な問いに対して私なりに答えるならば、「永遠に決着のつかない綱引き」となる。 言論という綱を、一定のルールに基づいて、意見や立場が異なる人たちが引っ張り合う。あちらが強く引っ張れば、こちらも強く引っ張らなければならな…

『フレンチ・ディスパッチ』の話

2回目の『フレンチ・ディスパッチ』を近所のユナイテッド・シネマへ。定員500名のスクリーンに観客はわずか5人。杉本博司の劇場シリーズのような光景だった。こんな田舎の映画館で上映してくれてありがとうユナイテッド・シネマさん。 しゃらくさいものが苦…

GEZANとトリプルファイヤーのツーマンを観に行った日。

トリプル・ファイヤーとGEZANという、世にも奇妙な組合せのライブ。 オミクロンと猛烈な寒さを避けるため、浜松までは電車ではなく車で向かう。朝は雪が振ったけど、夕方にはすっかり晴れた。浜松に来るのは20年3月の宇壽山貴久子さんの写真展とトークショー…

「ミニマル/コンセプチュアル展」を観に行ってPINKMOON RADIOを聴いた日。

愛知県美術館で開催されている「ミニマル/コンセプチュアル」展へ行ってきた。デュッセルドルフのギャラリスト・ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻が収集した作品を中心に、60年代から70年代にミニマル/コンセプチュアルアートというジャンルを確立させた…

有休の日の散歩。

本日有休。しかし休演ではない。 案の定、朝から上司からしょうもない用事でメールやらチャットやら電話が来てうんざり。別にそんなに休みたいわけではないのだが、休みを邪魔されるということ自体がストレスなのだ。 このまま家にいると結局仕事をしてしま…

どついたるねんを聴きながら豊田市美術館「絶対現在」展を観た日のこと。

「百鬼夜行」を観に行った次の日。英検を受けたいという娘の勉強に付き合いながら、豊田市美術館でもらったパンフレットを眺める。昨日は時間がなくて断念したコレクション展に河原温や杉本博司の作品が展示されてたのか…。行きたい。しかし時間がない。と一…

ホー・ツーニェン「百鬼夜行」を観に行った日のこと。

豊田市美術館で開催されていたホー・ツーニェンの個展「百鬼夜行」は二回観た。でもあともう一回は観たかったな…というくらいの見応えだった。 一度目に観た時は、妖怪という古典的・土着的な存在に新しい命を吹き込む手法の鮮やかさ、視覚・聴覚を完全に奪…

2021年9月から11月の話(未来の人へ)

※7月に書いた記事の続きです。 dreamy-policeman.hatenablog.com 9/15 Twitterで明日発売の週刊文春に小山田圭吾のインタビューが載るというニュースを知る。しかし「小山田圭吾 懺悔告白120分 障害者イジメ、開会式すべて話します」といういかにも週間誌的…

ボロフェスタ最終日の記憶

名古屋駅で新幹線に駆け込んでから「そう言えばのぞみって京都に止まるんだっけ?」とボケてしまうほど久しぶりの一人旅。19年3月の「うたのゆくえ」以来二年半ぶり、そして初めてのボロフェスタに参加するために京都へ。 しかしこの二年半、京都は常に私の…

サニーデイ・サービス「TOKYO SUNSET」

2021年の夏。 俺もおかしかったし、みんなもおかしかった。まだ何も決着がついたわけではないけど、10月13日にリリースされたサニーデイ・サービスの新曲「TOKYO SUNSET」は、この狂った夏を走り抜けたアーティストからの手紙のようなものだと思った。もう少…

映画「ドライブ・マイ・カー」にまつわる車の話

村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」は出たばかりの時に読んだはずなのだけど、その内容はほとんど覚えていなかった。今回、映画を観てから改めて読み直してみたが、やはりあまりピンと来るものがなかった。主人公・家福が抱えていた葛藤が私にとってはそこ…

2021年8月22日の記録(フジロック3日目)

フジロック最終日。夜更けに降り出した雨も朝には上がり、本日も晴天スタート。天気予報は降水確率90%だったのに。今年の苗場の空はとてもいい奴。 今日は朝から観たいライブが目白押しで、その上で大トリの電気グルーヴまでどう体力をもたせるかというのが…

2021年8月21日の記録(フジロック2日目)

フジロックに行ってきました。 すみません。 出発数時間前まで、開催に対する批判が吹き荒れるTLを眺めながら悩みに悩んだけど、結局最後に勝ったのは、私のエゴだった。 新潟から遠く離れた場所に住む私にとって、フジロックは簡単に行ける場所ではない。距…

2021年7月の話(未来の人へ)

TURNの取材で曽我部恵一さんにインタビューさせてもらった時に言われた「今、25歳に戻してあげるって言われても嫌だな。あの頃はもっと無礼だった。今は昔より純情だし、もっとけがれなく世の中のことを見ている」という言葉が強く自分の中に残っている。初…

森道市場2021に行った話

今年も森道市場に行きました。娘が期末試験の勉強してるのに毎日遊びに行くのは気がひける…と思っている間に土曜日のチケットは売り切れてしまったので日曜日だけ。 緊急事態宣言が延長された時はもう開催は無理かも…と思ったけどやってくれました。でも、換…

Moment Joonの配信ライブを観た話

人生40年も生きていると「あの時観ておいて良かったな」と後々まで語りたくなってしまうようなライブがいくつかある。5月28日に行われたMoment Joon初のワンマンライブは、(配信だけど)間違いなくそういうものであったと思う。 Moment Joonは韓国出身・大…

ミステリーサークルとbandcamp friday(東郷清丸とスカート)

美容院に行った先週末、後頭部に小さな穴を発見。いわゆる円形脱毛というやつ。思いあたる原因はコロナ以降の不条理な不遇しかない。俺は毛根までふがいないのか。しばし呆然。 5/7のbandcamp friday で入手した東郷清丸の新曲集『GOLDEN SONGS WEEK ‘21』は…

最近行ったライブの話(21年春。サニーデイ、SAGOSAID 、PALE BEACH)

去年はほぼ自粛していたライブハウス通いを再開させている。 事実上の営業禁止を強いられている音楽産業の苦境をただ眺めることと、可能な限りの感染対策をした上でライブに足を運ぶこと。そのどちらが罪深いことなのかを裁くことはもう不可能だと思うので、…

小崎哲哉「現代アートを殺さないために」を読んだ話

あいちトリエンナーレに端を発した大村愛知県知事の不正リコール問題。たぶん一般的には「うさんくさい医者と怪しげな政治家による度を超えた悪ふざけ」くらいの感覚なのかもしれない。 しかし私は、これは2000年代以降の日本社会に流れる三本の暗い濁流が混…

横尾忠則「GENKYO」を観に行った話

横尾忠則の作品はそれこそ物心ついた頃からあらゆるメディアで目にしていたが、あまりのビッグネームだからか、あるいは私の脆弱な感性のせいか、その表現にちゃんと向き合うことなくこの年まで生きてきてしまった。「アングラ」「スピリチュアル」という彼…

”田中ヤコブと家主” @wwwの配信ライブを観た話

例によって配信最終日に駆け込みで田中ヤコブと家主のツーマンライブ@渋谷wwwを観た。もう最高すぎてその晩のうちに二回も再生してしまいましたよ。 最初は田中ヤコブのエレキ弾き語りソロ。今のところ唯一のヤコブ体験はちょうど2年前の今ごろ観た「うたの…

猫の日。

海に行くつもりじゃなかった。 もとい。 猫を飼うつもりじゃなかった。 子供の頃から猫アレルギーだし、何を考えているのかよくわからない雰囲気もちょっと苦手だったし。 小学生の頃から就職で家を出るまで、実家で犬を飼っていた。コロという名前の白い雑…