ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

11月某日の日記。スカート、金魚注意報、中村佳穂。

f:id:dreamy_policeman:20181114200935j:image

 

11月某日

軽薄な音楽にイライラするけど、本物の渋さってやつにも尻込みする。

剥き出しの狂気に触れる勇気はないけど、無難なロックじゃ楽しくない。

山下達郎は好きだけど、竹内まりやは受けつけない。

 


このようにワタシという人間はとてもわがままな生き物で、心にはいくつもの不規則な穴が空いている。

そしてその穴にぴったりとはまるのが、スカートの音楽なのだ。

新曲『遠い春』を聴いて改めてそんなことを思っている。

 


「僕たちが歩き出すことに どれだけの意味があるのかな」という迷いから始まり、

「つつじの花が咲く頃までには 新しい服で 懐かしい街で 会いましょう」という繊細な決意で結ばれた歌詞。

 


この少しうつむきがちだけど、歩みは止めないよという一貫した世界観が、すごく私の目線にフィットするというか、寄り添ってくれている気がするのである。

もう少しエモい表現を使わせてもらえるならば、「お前は一人じゃないぜ」という澤部氏からのメッセージを(勝手に)受け取っているのだ。

 


11月某日

そんなわがままな心と体をひきずるようにして、長野県松本市を仕事で訪問。しゃべりすぎのタクシーの運転手さんのおかげで乗り損ねた電車の待ち時間にMARKING RECORDSへダッシュ。ずっと気になっていた金魚注意報のCD-Rを入手する。ココナッツディスクにおけるスカートや台風クラブを例に出すまでもなく、愛すべきレコード屋さんが愛を込めてプッシュするバンドは、なにか特別な匂いをまとっているものだが、この金魚注意報も例外ではなかった。

 


エバーグリーンと刹那が同居した繊細なメロディー。サイケを感じさせるくらいに甘く美しい空気感。フォーキーとか懐かしさとかそういう表面的なところじゃなく、本質的な部分でサニーデイ・サービスに通じるところがあるように思った。夢中になる予感がする。ライブが観てみたい。

 


そういえば俺はサニーデイがこんなに好きなのに、サニーデイに似ているバンドってほとんど聴いたことがない。興味が持てない。不思議な話である。

 

 

 

11月某日

歯が痛い。左奥歯の治療が終わらないうちに右側の親知らずがうずいてきた。業績がダメならせめて体調くらい良くなってもらいたいものだが、ストレスも歯に悪いんですよねーという歯医者さんの言葉が歯ぐきに重く響く。

しかしそんな生命力絶賛低迷中の私とは対照的に、生のエネルギーをこれでもかというくらいに発散しているのが、中村佳穂の新作『AINOU』である。

ポップミュージックのフィールドをギリギリいっぱいに使って鳴らされるバレアリックなサウンド。肉体性と創造性の限界に挑むダンスビートで右サイドを駆け上がったかと思えば、ゴスペルを思わせる巨大な歌心へ一気にサイドチェンジ。ダイナミックすぎる展開に腰を抜かした。

このアルバムとceroの『POLY LIFE,MULTI SOUL』が同じ年に出たということには、偶然を超えた意味があるような気がしてならない。

 

 

 

さてさて。

関美彦さんとさとうもかさんをお迎えしてお送りするSons of Nice Songs Vol.2。いよいよ開催まであと1カ月となりました。

名古屋にポップミュージックの新しい名場面が刻まれる時間になること間違いなし。

全力で、真剣に、必死にご予約受付中です!!

 


-Sons of Nice Songs Vol.2-

日時:12/15(土)14:00開演

会場:K.Dハポン鶴舞

出演:関美彦、さとうもか

料金:前売2000円+1D(中学生以下無料)

予約web:https://reserva.be/dreamy1