「自信が確信に変わりました」
イチローを三振に仕留めたヤング松坂大輔の名言よろしく、さとうもか with Time Travelersの名古屋初ライブも、彼女の若き才能が規格外の大きさであることを証明するものでした。
皆さんも早く観た方がいいですよ。
以上。
と終わらせてしまいたくなるほど圧巻のライブでした。
「Touch & Go」というクラブイベントのゲストとして登場した彼女たち。
四つ打ちのエレクトロビートで盛り上がるクラウドの前で演奏するのはやや分が悪いのでは?と心配しましたが、才能ある若者は平凡な年長者の杞憂を軽々と超えていくもの。
一曲目の『Old young』から、キュートなボーカルと高い演奏力で会場中のハートを引きつけたかと思えば、一転してパンクに駆け抜けていく『Weekend』で火の粉を散らす。この洒脱で凝った楽曲と熱い演奏、そして確信犯的に添えられたユーモアという組み合わせに、初期コレクターズやシンバルズに通じるモッド感を覚えてしまう。めちゃくちゃ不敵にかっこいいのである。
続いては、「もう夏は終わっちゃったけど」と言いながら披露された最新曲『Melt summer』。秋風吹く外の肌寒さを忘れさせ、強すぎる夏の日差しとジリジリと焦げるような恋心を連れ戻す。
この一曲ごとにみんなの心の中にある大切な記憶を喚起し、映画のような物語を感じさせる天賦の才こそ、さとうもかの真骨頂。aikoとかユーミンと並べて語られるべきものだと思います。
冒頭3曲でもう完全にハポンをロックオンした後は、ミュージカル調の未発表曲から、『最低な日曜日』『殺人鬼』といったキラーチューンまでをたたみかけるように演奏。その芳醇なバリエーションを生み出すソングライターとしての才に目が眩む。
中でもわたしのハートを強く掴んだのは終盤に披露された『ループ』と呼ばれていた未発表曲。初期達郎ばりのファンキーなカッティングとグルーヴを加速させていくスタイリッシュなメロディー。たびたび他のアーティストを例に出して申し訳ないですが、スカートの『静かな夜がいい』をライブで初めて聴いた時と同じ胸の高鳴りを感じました。この曲を流しながら、海沿いをドライブする自分の姿まで一気に見えてしまうような力強さ。
約40分という短い時間に、彼女のカラフルすぎる魅力を詰め込んだライブはあっという間に終了。
5月に観たライブでは、プロデューサーというより保護者のような入江陽のサポートを受ける頼りなげな姿と楽曲のハンパないクオリティのギャップに、これはいったい何者だ?と強いインパクトを受けたのですが、バンドと共に繰り広げたこの日のライブは、楽曲の持つリアリティはそのままに、会場ごと呑み込んでいくような迫力を感じました。
12月のSons of Nice Songs Vol.2ではソロで登場してくれるということで、また違った魅力を見せつけてくれるものと確信しております。
なお、もかさんは他にも何度か名古屋に来られる予定があるようなのでとにかくどこでもいいから絶対目撃してほしいのですが、伝説の天才シンガーソングライター・関美彦さんとのケミストリーを体験できるのはこの日だけ!ということも声を大にして申し上げたいと思います。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
-Sons of Nice Songs Vol.2-
日時:12/15(土)14:00開演
出演:関美彦、さとうもか
料金:前売2000円+1D(中学生以下無料)