ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

台風クラブ、GUIRO 、曽我部恵一 SOCIAL TOWER MARKETに行ってきました

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先週の土日、つまり10月13日、14日は愛知県地方はフリーフェスかぶり。

豊田市ではTOYOTA ROCK FESTIVALが、名古屋ではSocial Tower Marketが。

どちらも毎年すばらしい出演者と開放的な雰囲気で、とても楽しみにしているイベントなのです。

 
しかも我が家ときたら、土曜日は子供たちの学芸会、日曜日は長女の部活の大会ということで、本来なら両日とも涙を飲んで断念…というのが正しい親のあり方なんでしょう。

しかし台風クラブGUIRO曽我部恵一が出る日曜のソーシャルタワーだけは我慢できなかった。我慢できなかったんだよ俺たちは。というわけで、娘に(心の中で)土下座して(内緒で)テレビ塔へ。

 
トップバッターは台風クラブ

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「朝はホンマに苦手で…」とボヤきつつ繰り出される珠玉のロックンロールナンバーは、前回観たよりもその大きさ、気圧、風速ともに発達しており、朝から集まった老若男女を猛烈な勢力で吹き飛ばしていた。とにかく演奏が太い、音がいい、MCもちゃんとしてる!と、言うことなしのライブ。たまらず屋台に駆け寄りビールを買ってしまう。

しかし、台風とはその威力を増すほどに、中心にぽっかり空いた目の静けさもまた際立つもの。

ダンスフロアの片隅から、夏のから騒ぎを俯瞰して、そのむなしさを責め立てるような石塚淳の言葉が、俺の革ジャンを貫いていく。

「計画はすぐ濁っていく 欲しがった心は本当か

まともになっていく歪み 消えてった淡い面影に」

という『相棒』の歌詞が、とりわけ40歳の胸にしみた秋晴れの空でした。

  

続いて登場するのはGUIRO

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いや今ワタシ、「続いて登場するのはGUIRO 」としれっと書きましたけど、台風クラブGUIROというこの奇跡の投手リレー。ちょっと信じられません。

 
この日のGUIROは5人編成。ボーカル高倉一修、ベース厚海義朗、ギター牧野容也、ピアノ西尾賢、そしてドラムは不動のオリジナルメンバー松石ゲル…ではなくて光永渉。もちろん初めて観る編成である。

今年の夏仕様のGUIROにおける最大の見どころは、松石ゲルのドラムとシンセサイザー亀田暁彦のバチバチとしたせめぎ合いにあると思っていた。

その言いようのないスリルを手放して、新たな装いのGUIROが手に入れたもの。

それはまるでシルクのような滑らかさで、楽曲が本来持つ美しい世界観を再現する演奏力だったように思う。一曲目の『山猫』からラストの『アバウ』まで、身と心を歌の世界にゆったりと委ねてしまった。ceroの屋台骨を変幻自在のドラムで支える光永渉のスーパーテクニックは、高倉一修の歌に寄り添い、演奏の完成度を飛躍的に高めていたように思う。果たして今日の編成がパーマネントなものになるのかは知る由もないが、やはり片時も目を離すことができない有機体のようなバンド(という定義があてはまるかどうかもわからない)である。


ちなみに野外でGUIROを見るのは初めてだったので、10月とは思えぬ強い日差しにあの繊細そうな高倉さんが耐えられるのかしらと余計な心配をしておりましたが、むしろこれまでで最もリラックスしているように見受けられ、メンバーいじりも冴えわたっていた、ということを合わせて記録しておきます。

 


さて、大人の日曜日は忙しい。

いったん会場を離れ、名古屋市科学館へ移動。

浮世の付き合いで「大学共同利用機関シンポジウム」なるイベントを見学。

アルマ望遠鏡による宇宙探索、AIをつかった言語解析など、日本の最先端の研究成果を小田島等Tシャツを着て勉強させて頂きました。

ちゃんと基礎研究にも予算つけてよね!とパンダおじさんは主張しておきます。f:id:dreamy_policeman:20181018222443j:image

 


会場に戻り、トリの曽我部恵一に滑り込み。

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一曲目の『恋におちたら』から、アコギ一本で会場中の観客の耳と目と心を奪ってしまう圧倒的な歌唱力と珠玉の楽曲たち。

しかしこの日のライブには、こうした音楽という枠ではくくることのできない、「今・ここのリアル」そのものを強くぶつけられているような感覚があった。

秋の空に吸い込まれていく『キラキラ』も、「そっちはどうだ?うまくやってるかい?」と語りかけてくる『青春狂走曲』も、日曜日の夕方に聴く「満員電車は走る」「魔法のバスに乗って」の切実さも、まるで親しい友人からの手紙のように響き、演者と聴衆という役割分担をすっかり意味をなさないものにしていった。

 
そして歌というフィクションがリアルを乗り越えれば、偶然もまた必然を侵食する。

魂を吐き出すようなシャウトと、それによって枯れてしまった歌声。

晴茂君の不在に触れつつもつとめて明るくふるまっているようなMCとは対照的な『セツナ』の絶唱と切れてしまったアコギの弦。

 

こうしたアクシデントたちに、曽我部恵一サニーデイ ・サービスの現在が表れているように感じてしまうのは、考えすぎという名の私の悪癖であるのだけれども、ついそう思わせる全身芸術家感を曽我部恵一が背負っていることは、まぎれもない事実だと思うのです。

 

 
というわけで今年が最後かもしれないというSOCIAL TOWER MARKET。

思えば小田島等さんのライブペインティングにはじまり、ミツメ、ネバヤン、王舟などなど毎年、たくさんの刺激を頂きました。

またの開催を心より願っております。

 

さて、ソーシャルタワーにも負けないイベントになること間違いなしのイベントSons of Nice Songs Vol.2、ご予約お待ちしております! 

 

-Sons of Nice Songs Vol.2-

日時:12/15(土)14:00開演

会場:K.Dハポン鶴舞

出演:関美彦、さとうもか

料金:前売2000円+1D(中学生以下無料)

予約web:https://reserva.be/dreamy1



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