ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

決して消えない光がある サニーデイ ・サービス『Christmas of Love』について

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サニーデイ・サービスから届いた、突然の、そして少し早いクリスマスプレゼント。

その名も「Christmas of Love」

 
日付が11月28日に変わる瞬間に配信されてからまだ約30時間くらいしか経っていないけれども、もう20回以上は聴いている。

そして最初に聴いた時からずっと、鳥肌が立ったままだ。

 
一聴して伝わるこの曲の特長。

それは何と言っても、平成最後の12月に山下達郎からクリスマスソングの王座を奪わんとするかのようなスケール感で鳴り響く、サニーデイ史上最大に開かれたメロディー、暖かいメッセージ、そしてエレクトロニカルパレードのようにドリーミーなアレンジ。

つまり、ポップソングとしての完璧さ。

この2年で何度同じことを思ったかわからないけど、なんでまだこんな瑞々しい歌がつくれるのか、と驚かずにはいられない。

 


そしてこの曲の持つ、もう一つの表情。

それはサニーデイ・サービスというバンド自身に訪れた、パーソナルな悲しみとその先の景色が描かれているということである。


「電話のベルが鳴って驚き 目覚める

  目覚ましの音だと知って またまどろむ

 いつからか僕は君のこと なぜだかずっと懐かしく思ってしまう」

 
今もまだ電話に緊張感を抱かなければならないほどの傷を負いながら、誰かのことを考えている誰かが、

 
「恋のような街角を もうそろそろ目覚めさせようと」決意し、「枯れ葉の季節の中 君をまた好きになる」と再生していくストーリー。

 
私のようにサニーデイに心を寄せる者ならば、ここに丸山晴茂の姿を見出さないわけにはいかないだろう。

 


特に最後の、「枯葉の季節の中~」というフレーズは、二年前の春の日に「君がいないことは君がいることだな」と歌った『桜Super Love」に対するアンサーのように思われ、ファンタジーとドキュメンタリーの境界をひた走るサニーデイ・サービスというバンドの業のようなものすら感じてしまう。

 


そして、

「紙切れが舞うように 

 冬の空飛んでいけば 二度と探せなくなる

 それがさよなら」

 
という永訣の直後に鳴らされる、嗚咽のようなギターソロ。

クリスマスソングとしての調和を守る音色と、それでも抑えられない昂りを感じさせるフレーズのコントラストが、決して消えることのない葛藤を表しているようで、何度聴いてもグッときてしまう。

 


だからこそ最後にたどり着く

 
「争いごとが終わり 星の名前は決まり 愛を分かろうとする 誰もが」

 
という希望と愛に満ちたフレーズが深く胸に刻み込まれると共に、街中のスピーカーからこの光のようなクリスマスソングが流れ出し、星になったあの人のところまで届く光景を想像してしまうのだ。

 

 

 
-Sons of Nice Songs Vol.2-

日時:12/15(日)14:00開演

会場:K.Dハポン鶴舞

出演:関美彦、さとうもか

料金:前売2000円+1D(中学生以下無料)

予約web:https://reserva.be/dreamy1

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