久々にライブハウスに行った。久々と言っても二ヶ月間が空いたくらいの話なので大したブランクではないのだけれども。
理由はいくつかあって、もちろん仕事がダラダラと忙しいことが主たる理由ではあるのだが、どうもいまひとつ心身のコンディションが整わないんだよな…とかなんとかグチグチしてる間にVideotapemusicとOgre you assholeのツーマン当日。
いろいろ心配なことはあったものの、バシッとパソコンの電源を切って、会場の伏見Jammin'へ。当日券で入場。
先攻はOgre you asshole。実は初体験。
どこかスピリチャルな佇まいがなんとなくとっつきにくかったのかもしれない。
でも久々のライブがこのバンドで良かった。
俺のつまらない煩悩を吹き飛ばすような硬質で容赦のない轟音。バキバキのグルーヴ。久々に無心で踊った。デトックスという単語が頭に浮かんだ。
EP-4、ゆらゆら帝国にINUの系譜に連なる日本的湿度をまとった狂気と叙情性とか、語るべきはたくさんある音楽なんだろうけど、とにかく楽しかったというのが私の素直な感想。
そして素直ついでに告白すると、ボーカルの人はちょっとカクバリ社長に似ている気がする。
さて続いては本日の真打ち・Videotapemusic。
昨年に続き二度目。
最初に観た時はその情報量に圧倒され、その興奮を謎の文章で消化したのだけれども、今日は無国籍な映像と生演奏とサンプリングが入り混じった音楽にクラクラしつつも、もう少し内側のところでビデオ氏の魅力を感じることができた気がする。
子供の頃に留守番しながら観ていた、夕方のテレビの再放送。その心細さ。
まだ地球に未開の地があった時代の郷愁。としまえんのアフリカ館。
夜の街に広がる家々の灯り、忍び込んだ工事現場の不思議な光景。子供の頃に住んでいた再開発される前の隅田川の光景。
夜中にこっそり起きて観た11PM。大人しか知らない、煌びやかで妖しい世界…。
誰も知らないはずの、自分でもほとんど覚えていない原体験を次々と呼びおこされていく感覚。
手法の斬新さや膨大な情報を処理するマニアックな職人ぶりやファッション性に目を奪われてしまいがちだけど、人の心の一番奥深くの記憶や感情を開かせてしまうところがビデオ氏の作品の素晴らしさなんですね。
それにしても後半披露された「Her favorite moment」。早く音源が聴きたい。
そしてこの日も脇を固めた思い出野郎Aチームの新曲の素晴らしさについても語りたいところだけれども、それはまた別の話ということで…。
というわけで心身の深いところで気持ちよく汗をかき、ライブ前に抱えていたモヤモヤはすっかり晴れていたことに気がつく。
ライブはやっぱりいいものですね。