ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

とてもマイフェイバリットなOFTに子連れで行ってきた話

岐阜県各務原市で開催されている野外フェスOur favorite things。
わりと近所だし、毎年魅力的なメンツでうらやましいなと思っておりましたが、今年初めて参加できました。

 

なんせ出演アーティストがサニーデイ、スカート、シャムキャッツにヨギー、D.A.NにSTUTS…。

俺のためのフェスなんですか?と錯覚するほどマイフェイバリットだらけのラインナップ。

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こりゃガチで見たいよね、ということで次女はおばあちゃん家でお留守番、小4長女(スカートとサニーデイが好き)だけ連れて出発。


愛知から各務原なんてめちゃ近いし、俺は岐阜には仕事で何度も来てっからさ、とカーナビの指示を無視して東海環状道をひた走るも、いつまで経っても目的地までの残り距離が減らない。

あれ?…各務原市土岐市の位置を間違えてたよね。そして今は関市とかいうところにいるよね…。


そっからは顔面蒼白。
なんとかスカートに間に合うようにと必死に走って会場到着。
楽屋裏で煙草を吸うチンピラ…じゃなくてシマダボーイを発見した瞬間の安堵感と言ったらもう…。

 


さて会場はちょっとした公園って感じのアットホーム感。
森道みたいなステージを想像していたので、こんな近くでスカートやらサニーデイやら見れちゃうのかい?と改めて興奮。

 

それにしても7月の東海地方の蒸し暑さといったら名産品としてまるごと他の都道府県に出荷したいレベルな訳ですが、この日も相当にゴキゲンな湿度&温度。

 

そんな暑さもピークの13:20に登場した澤部渡率いる我らがスカート。

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ある意味こんな澤部が見たかった的なおいしいシチュエーションだったわけだけど、「ああ暑い!みなさんが暑いと言うなら僕がどんだけ暑いんだってことですよ!」「(汗が目に入って)チューニングもできない!」と嘆きながら水色の長袖シャツを汗で濃紺に染める澤部氏を見ているうちにちょっと気の毒になってきました…。


しかし肝心のライブの方は、まさにこんな澤部が見たかった!的真夏のヒットパレード。
最初にぶちかますはスカート屈指の大名曲「ストーリー」。しかしこんなファンキーなリズムだったっけ?と戸惑うほどに涙腺と足腰をグイグイと刺激してきてとても忙しい。清水瑶志郎先生のベースがブリブリ過ぎてもう最高。

そして「セブンスター」からの「回想」でこの日最初のピークタイム。
いやこれは最強の夏フェス対応のダンスナンバーですよマジで。青空の下、ノンアルコールビールでがっちりアガりました。

その後も「CALL」、ウチの子も大好きな「おばけのピアノ」、新曲「視界良好」などなど名曲だけでオーディエンスの気持ちをガッチリ掴み、最後は「静かな夜がいい」をエモく熱くキメたスカート御一行。いや最高でした。

ステージを降りた後はまるでゆるキャラのように若者たちに記念写真をせがまれまくっていた人気者・澤部氏、フジロックでの健闘を祈ります!


続いて登場はシャムキャッツ
何を隠そうちゃんと観るのは初めて。

しかしこれまたどういう神のいたずらか、メンバーお揃いの衣装がスカート澤部氏ともろかぶりの青い長袖シャツ。発汗量の違いが際立ってしまうじゃないか…。

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それはともかくシャムキャッツ、演奏した楽曲のほぼすべてが新作「Friends again」から、という潔いセットリスト。
しっかり根を張った4本の木のような、伸びやかな歌と演奏、虚飾のない楽曲が岐阜の自然にマッチする。改めてしみじみ長く聴きたいアルバムだと思った次第。

そして旧作からの代表曲「Girl at the bus stop」も新生シャムキャッツの音として、より凛とした佇まいで鳴らされていた気がする。そのせいか「後悔になんて唾を吐け」という歌詞がいつもより強く心に入ってきて、ちょっと泣いた。


さてここで子供タイムで会場をぐるりとまわる。
さすが公園だけあって、川(入って遊べます)とか遊具が充実。
爆音と人混みに飽きたお子様ケアも万全です。ライブになかなか戻れない危険性はありますが。

 

さて、散歩から戻ってきたところで今、日本で一番イケてる若者たち・Yogee new wavesが登場。

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お客さんの数もこの日一番の多さ。勢いを感じます。

2017年超決定盤「WAVES」を中心にしたセットリストだったわけだが、ホントいい曲しかない。
アレンジも歌も演奏も、フロントマンとしてのカリスマ性も全てが完璧。その完璧ぶりが俺には眩しすぎたりもするんだけど、全然嫌じゃない。それでこそ2017年に生きる若者のためのロックンロールって気がするから。

終演後、興奮した男子が連れの女子たちに「オシャレなブルーハーツって感じだったよね!」って言って「全然ちがうでしょー」って笑われてたけど(まぶしい)、俺も男子の意見に賛成。


日も落ちてきたところで登場はSTUTS。

東大の先輩・Alfred Beach Sandalと共に作った「ABS + STUTS」が再生ボタンを押してから30秒でアーバンなサマームードで部屋が充たされる名盤だったのでこの日もガンガン踊りたいと思ってたけど、ノンアル・子連れ・暑さにやられた身、ではなかなかそういうわけにもいかず、小田島等先生の似顔絵コーナーに並びました。

 

私ではなくムスメを書いてもらった訳ですが、これが恐ろしく彼女の内面まで捉えたような絵で震えました。

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ちなみに小田島先生に「こんなにずっと絵を描いてて手とか大丈夫なんですか?」って聞いたら「僕は絵を描くために生まれてきたから全然大丈夫なんですよ」ってサラッと答えてくれました。シビれた。

 


まさに日も落ちんとするマジックタイムに現れたのはD.A.N。

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これでライブ見るの多分4回目くらいだと思うんだけど、彼らが一切同期を使っていない人力演奏ということにようやく気がつきました。
「SSWB」のクールなベースラインとか「Native dancer」のドラムとか、生でやってんのか!と思ったら急にビールが飲みたくなってきて今日10本目くらいのノンアルビールを流し込みました。


それにしても最初に観た時(2015年の大晦日)はもっとゴリっとした感触の音楽だった記憶があるんだけど、今の音はなんというかトロトロの液体が自由に宙を舞うような、コーネリアスの新譜に通じる、洗練されまくった気持ち良さがある。
小林うてなさんのヘアスタイルもクールでした。


さていよいよフェスも大詰め。
トリを飾るのははサニーデイ・サービス

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結論から申し上げますと、圧巻・圧倒・圧勝でした。
この前に出たバンドも心の底から愛してる俺だけど、もうサニーデイは別格の横綱相撲。

一曲目の「Baby blue」でオーディエンスを別の世界へ誘うと、「あじさい」「Slow rider」でオーディエンスの心の中に初夏の風を吹かす。ナイスブリーズ。

そしてここからが本日のクライマックス、「さよなら!街の恋人たち」でさっき沈んだはずのギラギラした太陽を再び呼び戻したかと思うと、灼熱の「DANCE TO YOU」の世界へ。
「セツナ」のメーターを振り切った演奏は、来るぜ来るぜってわかってても、心の防波堤を軽く突破してくるんだ。

世界中でこんなテンションでメロウロックを鳴らすバンド、他にいるかい?と言いたくなる。さっきまで客席で騒いでた酔っぱらいもすっかりおとなしくなってしまったじゃないか。

 

そして本編最後は「サマーソルジャー」。
これ以上、今日ここにいる私たちにふさわしい曲はないでしょう。ステージの上に輝く月を見ながらまさに胸いっぱいになっておりました…。
この曲はいつか武道館みたいなでっかい会場でシンガロンしたい。オアシスの「Don't look back in anger」みたいに。

 

終演後、初めてサニーデイを見たと思しき若者たち(たぶんバンドやってる)が「ヤバいなめてたわ」「とんでもねーな」「いい曲しかなかったし」「あのホワイトファルコンがさぁ…」と熱く語り合ってて、ええ子やなぁとミヤコ蝶々賞をあげたい気持ちになりました。

そう。とんでもないバンドなんですよ、サニーデイは!

 

ちなみにアンコールでは「青春狂走曲」が披露されたんですが、会場にいらっしゃった写真家の宇壽山さんが「『バンドマン対抗綱引き合戦』の歌やってくれて嬉しかった!」と開口一番おっしゃっていて、なんのことやらと思ったらこんなことでした。

www.youtube.com

スカート(含む元昆虫キッズ・佐久間裕太氏)、シャムキャッツサニーデイ、今日の出演者ばっかりじゃん!ある意味めちゃ貴重なアーカイブ。澤部選手ジャージ似合いすぎだし。

 


さて、子連れでは初めて、私にとっても超久々の夏フェスでしたが、高速のサービスエリア直結、トイレ、コンビニ完備の快適環境のおかげで無事に過ごすことができました。

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とは言え、子連れでフジロックとかはまだまだムリ。夫婦のどちらかがライブ見るのを諦めて子供に専念すれば別だけど、それは我が家では考えられない(どっちもライブ観たい)ので…と限界を悟ったりも。

 

ありがとうOFT、ありがとう各務原市(もう場所間違えないよ)。

来年も遊びに来たいと思います。