Sons of Nice SongsもKENNEDY!!!は終わったけど、まだ俺の2018年は終わっちゃいない。
大晦日ギリギリ、2号目のフリーペーパー「Frozen boy,days in love ~おいぼれのためのディスクガイド~」が完成しました。
(最下部に配布店さま一覧かあります)
今回のテーマは「愛と闘争 Get back in love again」として、タフな時代を生き抜くために必要だ、必要なんじゃないか、まあちょっと覚悟はしておけ的な作品を勝手に紹介しております。
というわけで、今回もプロモーションの王道、発行人インタビューをお送りします。
聴き手はおなじみ、山崎宗一郎さんです。RO顔負けのストロングスタイルで、フリーペーパー発行の真意に迫ります。
————————————————————-
ーまたなんか変なもん作ったらしいですね。
「失礼だな。帰りますよ?」
ーまあ座って。はい、犯行の動機を述べよ
「俺は犯罪者じゃない」
ーだってテーマが「愛と闘争」ですよ。今時テロリストだってこんな暑苦しいこと言いませんよ。
「『POPCORN BALLADS』以降のサニーデイに影響されて、恥ずかしながら今さら古典SFを読んだんですよ。『1984』とか『ブレードランナー』とか。そしたらもう完全に2018年の現実そのまんまじゃん!って腰を抜かしてしまいまして」
ーどこがそのまんまだったんですか?
「独裁者や大企業が市民を完全に抑え込んでて、市民は抑圧されてることにすら気づかない、あるいは諦めていて、むしろ隷属の安楽さを積極的に受け入れようとしている感じ、ですかね…。デタラメな権力者のデタラメを知りながら支持してる、今の日本やアメリカと一緒だな、と」
ーうーん。なんか硬いっすね…。かわいい子犬の話とかしませんか?
「(無視して)でもこの悪意に飼いならさせれちゃってる感じがずっとモヤモヤと気持ち悪くて。日本もなんかもう諦めムードあるじゃないですか、なに言ってもどうせあいつらメチャクチャやってくるし…みたいな。自分も含めてですけど」
ーなんとなくわかります
「でもそこへ、突然爆弾が投げ込まれてきたんですよ、5月に」
ーサニーデイ・サービスの『FUCK YOU音頭』ですね
「そう。こんなに煮ても焼いても食えない話を、絶対そういうことしないと思われてた人たちが最高のパンクとしてぶち込んできて、さすが曽我部恵一だ!とめちゃくちゃ興奮したんですよ。」
ーあれは最高でしたよね。小田島等のMVも。
「でもちょっとがっかりもしましたけどね」
ーえ、なんで?
「MVを含めてあれはもっともっと大騒ぎされるべき作品でしたよ!日本に音楽や芸術をちゃんと評価して世に届けるプラットフォームがあれば、ラッドなんちゃらなんかよりずっとデカい、まっとうなアートとしてのインパクトを世の中にもたらすことができたはずなのに…という歯がゆさが残ったんですよ(と肩を落とす)」
ーたしかに。でもサニーデイ・サービスというバンドが世間に燃やしつくされなくて良かったかもしれませんよ。
「いや。燃やしつくされてもかまわないという覚悟があると思いますよ、あの人たちには」
ーそうかもしれません。
「で、そことは全然違うベクトルで刺さってきたのが、すばらしかの『二枚目』」
ーそれはまた意外なところから
「たぶん彼らはポリティカルイシューがどうこうってバンドじゃなくて、音楽そのもののクオリティに命をかけるタイプ、つまり東京インディー以降のクレバーさを持つバンドだと思うんだけど、自分たちのそういうある種のスマートさ、賢さにすらイライラしてる感じを音にぶつけてる感じが、最高にカッコ良かった」
ーほうほう
「その荒々しさに触れて、ああ俺たちはやっぱりお行儀が良すぎるな、と思い知らされたんですよ。このタイヤが空転するくらいの過剰なエネルギーが必要だな、と」
ーなるほど。つまりSFと『FUCK YOU音頭』、すばらしかが今回の原動力だった、と。
「そうです。それでテーマが決まりました」
ーでも、「愛と闘争のディスクガイド」として紹介されてる作品は政治的なものに限りませんよね?
「朝起きて、仕事して帰ってきて寝る、という普通の暮らしの中にもいろんな戦いがあるじゃないすか。その角度から光を当てると、作品が持つ別の表情が見えてくるかと思いまして」
ー今回の中で言うと、例えば土岐麻子の『PINK』とか?
「そうです。他にもバンドを続けるという生き様自体がもう表現になっているザ・コレクターズや、メジャーシーンで新しい居場所を獲得するために奮闘していたサンボマスターみたいなバンドの作品にも改めてリスペクトを捧げたいと思いましたし」
ーなんとなく犯行の動機が分かってきました。ところで今回はドリーミー刑事以外に三人の方が寄稿されていますね
「ええ。音楽的にも、行動力の面でも、私が尊敬する方々に愛と闘争について語ってもらいました」
ーどんなお三方なんですか?
「まずnecoさんですが、Here Comes The Niceという音楽イベントを主催しながらデザイナーとしても活躍されている方です。ポップにプロテストしてる感じがカッコいいんですよ。いろんな面で勝手に先輩だと思っています」
ーほうほう。じゃあ親しいんですね?
「いえ、京都の磔磔で一度お話ししただけです…」
ー図々しいですね
「すみません…。もともとTシャツを愛用しておりまして…」
ーただのファンじゃないですか。かわにしようじさんは?
「かわにしさんはソロやtroeppaというバンドで活動するミュージシャンで、名古屋インディーシーンのゴッドファーザーです。私にGUIROを教えてくれた恩人でもあります」
ーどこで知り合ったんですか?
「名古屋でレイシストが暴れた時にカウンターとして居合わせたというご縁です」
ーそれはすごいですね。
「私は後ろの方でウロウロしてただけですけど…」
ーそして上野祥法さん。
「写真家で、私がいつもパーティーやイベントでお世話になっているカゼノイチの店主です。年下ですけど、いつも背中を押してくれるよき兄貴です。この人がいなければ、僕も今こんなバカなことはしてなかったと思います」
ーお三方とも「闘争!」って感じじゃなくて、すごく地に足の着いたというか、一人の生活者、音楽好きという感じの文章で素晴らしかったですね
「プロテスターって別に特別な存在じゃなくて、自分に正直で、人生を愛してて、必要な時に少しだけ勇気を出せる人ってことなんですよね」
ーちなみにどれくらいの部数を発行するんですか
「前回の倍です」
ーバカなんですか?前回、配るのにめちゃめちゃ苦労してたじゃないですか!
「ええ…。なので設置頂けるお店、大募集中です。レコード屋さん、ライブハウスはもちろん、洋服屋さん、カフェ…どこでも結構です。ご希望の部数をお送りします」
ー最後に、今後の予定は?
「何もないんですけど、次は誰かと一緒に作りたいです。特にデザインとか、最初から分かっていることですが、思いっきり限界を感じています…」
ー前と1ミリも変わってないですもんね、この手づくりデザイン
「ええ…恥ずかしい限りです」
ー恥の多い人生、お疲れ様です。
〈配布店さま一覧〉
-愛知-
RECORD SHOP ZOO(大須)
ON READING(東山公園)
カゼノイチ(安城)
バナナレコード岡崎店
金山ブラジルコーヒー
バナナレコード大須店
-東京その他-
ココナッツディスク吉祥寺店
ココナッツディスク池袋店
CITY COUNTRY CITY (下北沢)
ディスクユニオン下北沢店
PEOPLE BOOKSTORE(つくば)
Hawaii Record (大阪)
Volume1(ver.) (仙台)
Marking Records (松本)
のら珈琲(秋田)
カフェクウワ(久喜)
グルーヴィン福岡店(福岡)
100000tアーロントコ(京都市)
まるさんかくコーヒー