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ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

ベイビー、歪んだままで構わないんだ。 GREAT3 "At Billboard live"

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田舎に住む中年のワタシ。
今年は一度もGREAT3のライブを観る機会が無かった。
とても残念である。

と、ガッカリしているところに届いたライブ盤。


しかもBillboard TOKYOなんてシャレオツな会場。
近所に住んでても縁がないかもしれない。



しかしまぁ俺クラスになると、GREAT3のライブ盤なんて、聴く前から曲目を見ただけで最高だって分かるわけですよ。


そして一回聴けばそれが間違いじゃなかったってこともすぐ分かっちゃうんで、このCDについて「最高です」という以外に何も言うことはないんだけど。そう言いつつグダグダ書くんだけど。それがおっさん特有の図々しさなんだけど。



ワタシが前回ライブを観たのは14年7月の"Pacific Phychedelia tour"だったのですが、その時に比べると、GREAT3の幅広いハイクオリティぶりをバランス良く感じさせる選曲・演奏になっている気がしました。



"ジェットコースター日和"や"Golf"、"愛の関係"が放つミリオン級のポップ感、"ポカホンタス"、"Dew"のトロトロな艶めかしさ、"穴と月"、"I.Y.O.B.S.O.S"の振り切ったドライブ感…。


たった1時間で、絶望から歓喜まで、数えきれないほど多様な感情の高みに、聴く者を登らせてくれます(インサイドヘッドは大忙し)。

こういうのをテクニシャンというのでしょうか…?。


その中で、(実際に観ていないからわかんないけど)今回のライブのクライマックスは、中盤の"Under the dog"だったんじゃないか、と思ってます。


デビューアルバムに収録された20年前の曲なのに、お約束感とか懐メロ感とかゼロ。
バンド全体でグワングワン攻めてくる演奏に、ちょっと尋常じゃないものを感じます。


でもよく考えてみれば、

"君がただ 裸にされたまま 目の前に並べられるのを眺めてた 

耳たぶにそっと口をつける 落ちるのを待ち焦がれる人の前で"

こんな理性ギリギリの歌詞、いくら歳とっても、どんだけミュージシャンとしてのキャリアを積もうと、そう簡単に歌えるものじゃないですよね。


この曲自体がメンバーを引っ張って、異常なテンションに突入したのかしら、とか勝手に当日のステージを妄想してます。


それにしても、改めてこうして歌詞を見てみると、若干ハタチそこそこでこんな文豪級に歪んだ世界観の持ち主だった片寄氏はもちろん、それに共感しちゃうようなややこしい感性を持つファンの皆さんも(俺を含む)、よくこの20年、犯罪者にもならずサバイブできたなぁという、奇妙な感慨も湧いてきますね。



もっとも、GREAT3の音楽を通じて、「みんな、いろいろ歪んでる」「歪みのない人生なんて、苦味のないコーヒーみたいなもの」くらいの境地に達していた方が、業をうまく飼いならして、したたかに実社会を生きていけるのかもしれないけども。


そう、人間だもの。