ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

山下達郎ライブ@長良川国際会議場を夫婦放談形式で振り返る(前編)

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人生二度目となる山下達郎のコンサートに行ってきた。
わざわざ岐阜県まで足をのばして。


ちなみに前回観たのは13年11月の名古屋センチュリーホール。最前列のお客さんを一喝して追い出してしまった伝説のライブ。

ポップミュージック好きなら人生に一度は見に行くべき!と、今回は達郎にはほとんど興味のない女房殿(最近はイルリメとYogee new wavesにご執心)も連れていった。


というわけで、達郎&まりや夫妻へのオマージュとして、夫婦放談形式でこの日のライブを振り返ってみたい。



前編  -山下達郎、その過剰さについて-

ドリーミー「初めてのライブ、どうでしたか?」

女房「いやもう、お腹いっぱい」

ドリーミー「どのあたりが?」

女房「ホテルのセットから達郎が出てきた瞬間とか」

ドリーミー「まだ演奏始まってないじゃねーか」

女房「想像以上にデッカくてビックリした。手足長いしさ。あと、歌と演奏が現実感がないくらいに上手すぎた」

ドリーミー「他には?」

女房「あんなにエンターテイナーというか、サービス精神のある人だと思わなかった!3時間以上、演奏もMCも全力だし、ベタな笑いもたくさん仕込んであるし。ギターのカッティングとか、パンクみたいな激しさだった」

ドリーミー「大御所感、大人げゼロ。いい意味で。チケット買ってくれたお客さんに対する責任感が異常に強いよな。『ここにいる全員の冥土の土産にしてやるぞ!』というレベルの気合い」

女房「あれだけ歌が上手い人がそれだか気合い入れて、あれだけ演奏の上手い人たちと3時間もライブするんだから、そりゃお腹いっぱいにもなるよー」

ドリーミー「63歳のレジェンドにあんなに頑張られちゃうと、ライブハウスの若いバンドはどうすりゃいいんですか?という気になります」

女房「でも、山下達郎のスゴさとロックバンドの魅力は別モノじゃない?達郎バンドの演奏は本当にスゴイけど、ワタシはやっぱり、へたっぴでも何が起こるかわからない、バンドが演奏する時のドキドキ感も好きなんだよねー」

ドリーミー「でも、『山下達郎の影響を受けてます』っていうバンドは多いけど、達郎御大のこういう暑苦しくて過剰な部分を引き継いでいるのはサンボマスターだけ、という気がする」

女房「ところで、やっぱりやりましたねぇ。"クリスマスイブ"」

ドリーミー「…ええ。お正月過ぎたらやらないのかと思ってました。あの曲、テープに合わせて演奏するからどうしてもテンションが下がるんですよね、俺の。あんなゴージャスなバンドがいるのに」

女房「しかも、決して夜更けに雪なんて降らなさそうな常夏のヨットハーバーみたいなセットで。でも、そんな刑事の気持ちを見透かすようにMCで『一生に一度しかライブを見れないお客さんもいるんだから、一番の代表曲をやらないなんてあり得ない。"クリスマスイブ"は絶対にやめない!通ぶったヤツは5分我慢しろ!』と宣言してたよ」

ドリーミー「まさに『わざわざ来てくれたお客様の冥土の土産にしなければ』という責任感の象徴ですね」

女房「じゃあ、あの特にお客さんから強く求められているとは思えないアカペラコーナーはどう理解すればいいんですか?」

ドリーミー「オイ、そういう質問はヤメロ!追い出されるゾ!あれは…あれは…アレだ。あのアカペラコーナーの負い目があるから、他の曲を120パーセントの力で演奏できるってことだよ、たぶん…。あとは、バンドの休憩時間とか、お客さんのトイレタイムとか…」

女房「あんたこそ追い出されちゃうよ」


-後編に続きます-