北山雅和「TYPOGRAFFITI 2」を観てきました。
前回の「TYPOGRAFFITI 」展は、大阪のpulpで観て、これは2015-16年という時代の象徴であり、そこに生きる私たちをデザインの力でエンカレッジする作品だ、と心を大きく前に動かされたことをよく覚えている。
SEALDsの活動や、ECDのドネーションステッカーで一連の作品を目にしている人も多いかもしれない。
その続編が、私が敬愛してやまない小田島等氏が新たにオープンした阿佐ヶ谷のギャラリーvoidで観れるというのだから、足を運ばない理由はなかった。
ギャラリーに入って右手には、前回のテイストを引き継ぎ、その意味と意匠を拡張させた作品が。
そして左手にはネクストチャプター感に溢れ
、これまでとは趣の異なる、大胆に鏡を用いた作品が並ぶ。
この二つの壁とその狭間に立つ私たちという構図が、2015年から2018年の世界そのものを表している気がして、まずぶっ飛ばされる。
そして左側の、新境地とも言うべき作品たちは、使い古されたはずの「言葉」から既視感だけを完全に取り除き、ポジティブな本質だけを抽出した前回の作風とは、まさにネガポジの関係にある。
鮮やかで大胆なメッセージは影を潜め、目を凝らさなければ見えない、考えなければ読み取れないモノトーンのメッセージが暗号のように鏡の上に展開されている。
そしてその暗号を読み解こうと作品を見つめれば、否応なしにその自分自身の姿が目に入ってくるという構図になっている。
それはまるで、税金をかすめ取り、事実を改竄し、権力維持装置として戦争をしかけるビッグブラザーばかりが跋扈する2018年において、君はこのメッセージをちゃんと読み取ることができているか?どう向き合おうとしてるのか?と鋭い問いを発しているようである。
だがしかし、たぶんここからが一番大切なことだと思うんだけど、その作品たちの佇まいはどこまでもクール。非の打ち所がないほどに研ぎ澄まされた仕上がり。つまりめちゃくちゃカッコいい。
誰がなんと言おうと、私たちは私たちが思う美しさを追い求める。自由に、想像力がおよぶ極限まで。
それこそが戦いであり、そのための戦いでもあるのだから。
そんなメッセージを感じて、俺はまた大きな力を得たような気持ちでギャラリーを後にしました。
さてここからは宣伝です。
いよいよ来月開催となりましたSons of Nice Songs、略してサンソン。まだまだ予約お待ちしております。
Sons of Nice Song vol.1
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)
ご予約は以下のホームページまたはメールからお願いします。
予約用web https://reserva.be/dreamy1
メール dreamycop2010@gmail.com