
出張の道中で一気に読んでしまった。
(ちなみに、出たばかりの「かなわない」は妻が買ったのでまだ読ませて頂いていない)
2010年2月から2011年4月までの日記(と家計簿)が収められているのですが、ちょうどこの頃は我が家も共働きで、俺はまったく新しい職場に移って、妻のお腹の中には次女がいて…という、まさにてんやわんやの毎日。
そして、その次女は震災直後の2011年4月に産まれたこともあり、あの時の、日々の生活、そして「壊れゆく世界」と向かい合わなくてはならない、張りつめた気持ちが蘇ってきて、仙台に向かう飛行機の中で何度も胸が詰まった。
(東北や東京からはるか西に住んでいる自分が言うのもおこがましいけど)
そして、この本を読んで改めて考えさせられたこと。
それはワタシが父親と呼ばれるようになってもう8年も経ったというのに、自分にとって子供とはどういうものなのか、未だによくわかっていない、ということ。
子育て楽しい?と聞かれれば、決して楽しいものではないし、面倒くさいことばかり。でも、やめたいとも思わない。
子供が全て?と聞かれれば、限りなくイエスなんだけど、そう言い切る自信もない。
でも、
「自分の子供とは言え、他者」
「他者だけど、自分の一部」
こういう矛盾や葛藤の中で、子供との距離を刻々と変化させながら、日々のデコボコをなんとか一緒に乗り越えようする営みを、子育てって呼ぶんだなということだけは、わかった気がする。
そして巻末の、ECDの子供と歳の離れた妻に対する思いを綴った言葉に、鼻の奥がツーンとした。