独居老人のひとりごと、というスタンスを長きにわたって(結果的に)貫いてきたこのブログ。
読む人なんて今の俺と過去の俺しかいないはずだったのに、先日の「月光密造の夜」の感想文をアップした直後からアクセス数が急上昇。
「これで俺も人気ブロガーの仲間入りか?」と一瞬浮き足立ったものの、そんなバブルはわずか2日でハジけ、人里離れた過疎の村にはすっかり平穏な日常が戻ってます。
将来的な脱サラまで視野に入れていたのですが。
さて、そんな真夏の夜の夢を見せてくれた例の3バンドに恩返しをしようと、CDを何枚かタワーオンラインで注文したんだけど、ミツメの作品が在庫切れということでしばらく届きそうにない。
こんなことならライブ会場の物販で買えば良かったんだけど、あのアウェー感の中でじっくりCDを吟味する胆力は無かった。
というわけで、名古屋のタワーレコードに出向き、スカート、ミツメ、トリプルファイヤーの3バンドがお互いの曲をカバーした、その名も"密造盤"を購入してきた。
だったら他のアルバムもそこで買えよ、という話なんだが、お得なオンライン限定クーポンが手元にあったんだから仕方ないだろ。
オリジナル音源を聴いたことがあるのがミツメの曲だけという状況でカバー集から入るというのはいささか抵抗があったけど、まぁ仕方ない。
とりあえず一聴して思うのは、音楽性はバラバラの3バンドながら、いいあんばいのポップ感、という共通項があるよねということ。
自分たちだけの世界に深く潜っていくわけでもなく、かと言って顔の見えないマジョリティーにおもねるわけでなく。
ステージの前に実在する俺とか君とかあの人とか、具体的な目線だけを意識している感じとでも言いましょうか。
と、共に、やっぱりどのバンドも自由だな、ということも強く感じましたよ。
だってオリジナルを聴いたことがあるのは、ミツメの"Disco" と"三角定規"だけだけど、どっちもメロディーからしてだいぶ違うし。
カバーにおいて、大胆なアレンジというのはよくある話だが、原型をとどめないメロディーってのはなかなか…。
ライブを観た印象で言うと、トリプルファイヤーはそういうことやりそう。
でも、気づかい上手に見えたスカートの方がどっちかっていうと思いっきり原曲無視してて、ポップスヤクザな人たちなんだなと思った次第。
でも音楽性が一番離れていそうなこの両者が、"Disco"と"おばけのピアノ"で、ソウルっぽいというか、坂本慎太郎もしくはシュガーベイブ感のあるアレンジをかましてくるところが面白かったというか、興味深いというか。
特に、"おばけのピアノ"はあのヘタヘタなボーカルを上手く活かした仕上がりで、災い転じて福となしちゃった感がすごいなと思いました。
あと、信者のワタシとして声を大にして言いたいのは、やっばりトリプルファイヤーの"三角定規△"はThe Smithsでしたよ。チープ感が漂ってますが。
コレな。
うわーやっぱモリッシー最高だわ!
というわけで、ヒネクレポップミュージック聴きたい、という方には自信をもってオススメできるミニアルバムでございました。
音質はちょっとデモテープ感がありますけど、それも風情ということで。