普段、映画は全然観ないし、英語も分からないんですが、この映画のストーリーがありきたりなこととか、役者もあんまり上手くないこととか、演出もベタってことくらいは、まぁなんとなく分かります。
一般的には、稚拙な作品コーナーに分類されてしまうのでしょう。
でも、だからと言って批判する気には全然ならない。
むしろ大好きっていうか。
おそらくスチュアート氏は、グラスゴーという街の美しさとしょうもなさ、ある種の少年が持つ心のイバラ、突然舞い降りてくる夢のような女の子と、そんな彼らの福音としての音楽(なんといってもThe Smiths!)、これらをまとめてフィルムに焼き付けないと、俺の人生終われないってずーっと思ってたんじゃないか。
そういう暑苦しくてまっすぐな気持ちが伝われば、もういいんですよ、この映画は。
そんな気がしましたよ。
というか、大学のプールで監視員のバイトしてる主人公・ジェームスなんて、教会で用務員やってたスチュアート監督そのものなんだろうし、ジェームスのバンドの佇まいたるや、俺が98年にロンドンで見た初期ベルセバにそっくり。
(ついでに言うと、冒頭のライブで野次られるシーンも、その時のライブの再現のようだった。実際のマードックさんはメチャ言い返してたけど)
つまり、スチュアートさん、昔から全然変わってないということですね。
どんなにキャリアを重ねても、そうしたロックンロールの初期衝動から逃れられないアーティストって、実に愛しいものなんだな、と思った次第です。
オシャレムービーとして売り出し中のところ、暑苦しい感想で恐縮ですが、不朽のパンクスピリット映画として心に焼き付けさせて頂きました。