ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

スカート澤部vsミツメ川辺!「夏の庭」に行ってきました。

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前回も書きましたが、夏休みの土日はとても忙しい。

だから土曜も日曜も両方ライブ行くなんてムリ!ゼッタイ!!な話なのです。それがたとえ澤部と川辺のゴールデンコンビであっても…。

 

 

ところが。

ライブ当日の朝、携帯を見てみると、届いてるんですよ予約完了メールが!

やだなーこわいなー。

 


というわけでワタシは日曜日もハポンにいましたよ。ええ。

 

 

 

オープニングアクトのてんしんくんがつくりだした絶妙に混沌とした空気の中で登場するのはスカート澤部渡

前に観たのは5月の六本木ヒルズで、その堂々たるポップスターぶりがまぶしかったのだけれども、今日はこんなに近くに!
そういえば音源やラジオのおかげで、すっかり何度も観たことがある気がしてたのですが、何を隠そうスカートの弾き語りライブを観るのは初めて。心臓がバクバクしてしまう。

 


一曲目は『月の器』。

音源は入手できない幻の名曲(再発熱望)。メロディの美しさはもちろんのこと、とにかく澤部氏がかき鳴らすギターの迫力に圧倒されてしまう。今までに感じたことのない凄み。

 
続いての『ストーリー』、『CALL』『回想』と怒涛のキラーチューン攻めには、いつもなら滝のような涙を流すところなんですけど、この日はとにかく圧が!圧が!という感じでもうそれどころじゃなかった。

ひょっとして俺にだけ見えないシマダボーイの霊がどっかにいるんじゃないかってほどの極太グルーブだったんですけど、とにかくギターが常人離れ。ほれぼれするほど縦横無尽にリフを、コードを、カッティングをキメまくる。
どうしてあれだけの名曲を、手癖やパターンを感じさせずに量産できるのか、ずっと不思議に思っていたんですが、こんなに自由に手が動けばそりゃインスピレーションも無限に湧いてくるわね…とすっかりわかったような気になってしまいました(ギターまったく弾けませんが)。

 
スカートを初めて観たのは3年前の同じく8月の名古屋で、あれから何度もライブを観てきたけれど、今日もまた過去最高を更新されてしまった。そんな心地よい打ちのめされ感があるライブでした。あぁでもまだ聴きたい曲がたくさんありすぎたぜ…。

 


さあ満員のハポン、スカートの熱演でいよいよ盛り上がってまいりました

トリで登場するのは、ミツメ川辺素!!!というこちらのテンションとはまったく裏腹に、いつも以上に消え入りそうな声で「こんばんは…」とあいさつする川辺氏。最高である。

おそらく会場にいた全ミツメギャルの皆さんは「スカートがあんなに盛り上げちゃった後で大丈夫かしら素くん…」って心配したと思うんですけど、これがもう本当に素晴らしいライブで。

 


ある時は子供のように無垢でたどたどしく、ある時はぞくっとするほどの色気を発する川辺素のマジックボイスで歌われる、初期の名曲『migirl』から最新シングル『セダン』までのオールタイムなセットリスト。

もういっぱいだと思っていた胸の中が、またひたひたと柔らかいもので充たされていく不思議な感覚。

 
ミツメというのはロックンロールのお約束を次々と無効化し、更新していく、いわば引き算のバンドで、そこがアートとして最高にクールなんだけど、その原型とも言うべき裸の歌には、掛け値無しに美しいメロディーと、まっすぐすぎるくらいの切実さが凝縮されていることに気づく。

 
それは何かを声高に訴えるような類いのものではないけれども、控えめで親切で、それでいて個として生きる現代の若者たちを象徴する普遍性のようにも思われ、実は川辺素という人は、ある世代や時代を代表するソングライターなのではないかという妄想を、本編ラストの『煙突』を聴きながら、潤んだ瞳で膨らませていた。

 
そしてアンコールでは、火星がぐっと近づいてきたこの夏にどうしても聴きたいと思っていた『fly me to the mars』を歌ってくれてなんだかもう感無量。あぁでもまだ聴きたい曲がたくさんありすぎるぜ(本日二度目)。

 


平成最後の夏に、素晴らしい才能を持ったバンドが次々と現れる中、自分がなぜスカートとミツメから目を離せないままなのか、ということを改めて気づかされてくれた夜でした。