ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

落日飛車とYOK.のライブを観た話

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 久々に名古屋のライブハウスに潜入。
YOK.と落日飛車のライブを観てきました。

 

まずはYOK.
ずっと前からフライヤーなどでよく名前を見かけていて気になる存在だったわけですが、ようやく観ることができた。
しかも今回は名古屋では初というドラムの入ったバンドセット。
ハープ、サックス、バイオリン(ジョセフアルカポルカの人だった)という独創的な編成が奏でる、俺のよごれちまってる魂を浄化してくれるような美しい音楽。
特に中盤に演奏されたゆったりとした鉄琴が印象的な曲と、最後の少しアップテンポなグルーヴのある曲が良かった。

 

続いては台湾からやってきた落日飛車。
昨年末にEP「JINJI KIKKO」の濃厚なAOR感と東京インディーとのシンクロぶりにヤラレて以来、ずっとライブを楽しみにしていた。

 

メンバーは6人。スカートの編成にサックスが加わったカタチと言えばいいだろうか。

 

パイナップルの飾りがぶら下がるフロアを子供たちが駆け回るアットホームな雰囲気の中でサウンドチェックが終了。
そして一曲目の「Burgndy red」のイントロが鳴り出した瞬間、きっと俺はこのバンドを好きにならずにはいられないだろう、という確信が身体を貫くのを感じた。
いや、39歳のおじさんという属性をかなぐり捨てた率直な表現を許して頂けるならば、恋に落ちた、という方が正確かもしれない。

 

街の灯りが明滅するロマンチックな輝き、巨大な万華鏡を思わせるサイケデリア、そしてポップソングのお手本のような甘く美しいメロディ。
それでいて、メンバーの佇まいはその辺にいる気のいい兄ちゃん風で、鳴らされている場所はガレージの片隅、という感じ。

達郎、Prefab sprout、そしてGREAT3とスカートやyogeeを愛している私のような者がグッとこないわけないのだ。
そしてなにより素晴らしいのは、こうしたグレートなバンドたちを分母に割り算しても、割り切られることなく彼らのオリジナリティーがたっぷりと残っていること。

それを彼らが暮らす台湾という土地に結びつけることはあまりにも短絡的とはわかっているけれども、この濃厚な甘さにはどこかエキゾチックな香りを伴っているように思う。

 

「JINJI KIKKO」を中心にした本編が終わってももちろん拍手は鳴りやむことなく、「アンコール準備してなかったから昔の曲を」と前置きして演奏された曲は、どことなくペイブメントの影響を感じさせるもので、彼らの幅広いルーツを感じさせた。


約1時間の短いステージだったけど、また一つ好きなバンドが増えた、エキサイティングな夜でした。