ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

The Wisely brothers 「HEMMING EP」を聴きました

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今年に入ってから、SaToAやShe saidにGo-Gosなど、新旧を問わず、女性ボーカルのイカしたバンドの音源を耳にする機会が多い。


中でもThe Wisely brothersのデビュー作「ファミリー・ミニアルバム」を聴いた時の衝撃はデカかった。

「予期せぬ妊娠」というテーマを軸に、時に夢見がちで、時に投げやりで、時に眩しいほどの光を放つ若い心情が、生々しく表現されたストーリー性のある歌詞。

おきまりやお約束から完全に自由なギターサウンドと、決して上手くはないけれども表情をクルクルと変えていくボーカル。

 

なんじゃこりゃ。
と、一発で心を掴まれました。

 

そんな彼女たちの新作は、なんとGREAT3の片寄明人プロデュース。
しかもそのきっかけはシャムキャッツのイベントだったというのだから、音楽の神様ってきっといるんだろうネ(俺的な)。

 

というわけで、個人的な期待値が超高い状態でリリースされたこの「HEMMING EP」。


一曲目の「サウザンドビネガー」は初期チャットモンチーの影響を濃厚に感じさせるギターロック。
ラジオでガンガンかかりそうな感じのポップ感と、ほどよいヒネクレ感。下世話に言うと、こりゃ売れそうだという予感が濃厚に漂う。


二曲目の「アニエスベー」はシュールな歌詞とついミツメのことを思い出してしまうような、乾いたファンクの組み合わせがかっこいい。このベースの異常な気持ち良さに、片寄明人の良い仕事ぶりが凝縮されている気がした。

 

そして三曲目。このEPの白眉とも言うべき「Thursday」。

部屋の中で見つけた綿毛から、ソマリア沖の恋人まで一瞬で飛んでいく、彼女たちの溢れんばかりの想像力。それをそのまま音にしてしまったダイナミズム。「愛は光」と言い切るクライマックスの美しさは、視界がホワイトアウトしていくよう。

 

これはライブで体験してみたいぞ、と思ったら明後日名古屋にいらっしゃるじゃないですか。

音楽の神様ってきっと…(以下略)。