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ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

番外編:木村元彦『社長 溝端宏の天国と地獄』

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Jリーグファンの中では、おそらく悪い印象を持っている人の方が圧倒的に多いであろう、元大分トリニータ社長で観光庁長官だった溝端宏氏の評伝。

ジャーナリストの木村元彦が面白い題材でいい仕事してます。


これ、映画化したら絶対面白いのに、と思います。

だって、このおじさん、マイケル・ウィンターボトムが映画化したファクトリーレコードのトニー・ウィルソンにソックリ。

ウソつきで、出たがりで、向こう見ずで、異常な行動力の理想主義者。

ほとんど一人でサッカークラブを立ち上げて、たった十数年で日本一になった直後に経営破綻させてクビになるという、このジェットコースターストーリーを映像にしたら、"24hours party people"に匹敵する作品が作れるんじゃないかと、本気で思います。




本の中身に戻ると、溝端氏は本当にワルい人だったのか、功罪をフラットに検証しよう、という視点で木村元彦らしい丁寧な取材が行われています。

ただ、「経営破綻の黒幕はクラブを自らの政治的基盤の確保に利用しようとした新旧県知事と、地元財界の無理解」という結論はちょっと甘い気もします。


そういう政治的なゴニャゴニャは設立にあたっての所与の条件であって、溝端氏の悪評を拭い去るほどのものではないと思う。
経営者として、あるいは公務員として見た時には、やはり批判は免れないんではないか、と。


が、こういうある意味で狂った人がいないと新しいサッカークラブ(音楽レーベルも)なんてできないわけで、こういう人たちのおかげで日本のサッカー文化が生まれて、自分もサッカーを楽しむことができるのだと思うと、感謝をしなければいけないのも事実。


ちなみに溝端氏は現在ホリプロに所属しているようですが、プロフィール欄にちゃっかりこの本も載ってました。
決して褒められている内容の本ではないんですけどね。
ホント、どこまでもたくましい人であります。