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ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

(俺の)夏はいってしまった どついたるねんのライブに潜入した話

会議室の時計は、午後7時を回ろうとしていた。伸び悩む売上と迫りくる年度末。会議が始まって5時間。局面を打開する妙案もなく、メンバーの眉間に刻まれた皺だけが深くなっていく。重すぎる空気の中、俺はトイレのために席を立った。ように見せかけて、その…

わたしとあなたの類なさ。その肯定。 植本一子 "かなわない"

初めて植本一子さんの写真を見たのは、去年の5月、ON READING(名古屋の文化的良心と言うべき本屋さん兼ギャラリー。この本の中にも出てくる)で開かれた、笹原清明氏との二人展「ハローグッバイ」だった。そこに展示されていた、かつての恋人の写真は、「私…

METAFIVEの火花飛び散るフレッシュ感について

すでにキャリアを確立したミュージャンが集まって結成された、いわゆるひとつのスーパーバンドってやつが、それぞれの本籍を上回る成功を収めた話って、あまり聞かない。ロックスター言えどもやはり人の子。大物同士が集まれば、遠慮・気遣いの一つもしてし…

あくまで芸術としての記録。 植本一子 "オーマイドーター"

先週は結局、石田家関連(ECD・植本一子)の本を5冊買った。なぜそうなったかというと、ワタシと妻が日替わりで植本一子の「オーマイドーター展」を観に行ったから。というわけで今回はその写真集「オーマイドーター」の話。その名の通り、植本一子が二人の…

子供、子育て、そして自分。 植本一子"働けECD"

2011年に出版された、写真家にして文筆家、そしてECDの妻である植本一子の育児(と家計)について書かれたブログをまとめた本。出張の道中で一気に読んでしまった。(ちなみに、出たばかりの「かなわない」は妻が買ったのでまだ読ませて頂いていない)2010年…

ストレイト・アウタ・コンプトンで気合いを注入されたある日

出張先で取引先にどつき回され、すっかりクサクサした気持ちになってしまったくたびれサラリーマンのワタシ。ウサ晴らしにキャバクラへ!という健全な中年男性的感性は持ち合わせていないので、ちょうど通りがかった映画館にイン。ちょっと気になっていた、"…

ヒップホップの初期衝動! Tha Bullshit "First shit"

SEALDsの中心メンバーとして知られるUCDこと牛田さんがラッパーとして参加しているヒップホップバンド・Tha Bullshitのファーストミニアルバム。なんせ何をやっても騒がれる2015流行語大賞受賞者。いくらSEALDsとは直接関係のないバンド活動とは言え、もしシ…

20年後の現在地。 サニーデイサービス"苺畑でつかまえて"

昨年末のツアーの余韻が濃厚に漂う中でリリースされた、サニーデイサービスのニューシングル"苺畑でつかまえて"。小田島等画伯による最高に鮮やかで愛らしいジャケットに包まれた2曲はいずれも、スピーカーから流れ出した瞬間から、目の前の世界すべてにソフ…

大雪の日にスカート、トリプルファイヤー、Ducktailsのライブを観た話

細かい事情は割愛するけど、ある雪の降った日に、俺は名古屋から新代田feverを目指して新幹線の車中にいた。そう、スカート、トリプルファイヤー、Ducktailsの3マンを観に行くために。俺には二つの不安があった。一つは、大雪のせいで大幅にダイヤが乱れた東…

山下達郎ライブ@長良川国際会議場を夫婦放談形式で振り返る(後編)

前回に引き続き、達郎ライブ経験初心者同士の、新春夫婦放談をお送りします。【ネタバレあり】です。 -芸術、職人芸あるいは神事の間で-女房「そういえば、"クリスマスイブ問題"以外 にも、MCでちょくちょく『熱心だけど通ぶったファン批判』をしてたね。も…

山下達郎ライブ@長良川国際会議場を夫婦放談形式で振り返る(前編)

人生二度目となる山下達郎のコンサートに行ってきた。わざわざ岐阜県まで足をのばして。ちなみに前回観たのは13年11月の名古屋センチュリーホール。最前列のお客さんを一喝して追い出してしまった伝説のライブ。ポップミュージック好きなら人生に一度は見に…

電気グルーヴとアンヴィル。二つの歴史を辿る旅。

俺が東京インディーの若い奴らに媚びてばかりの若づくりおじさんだと思ってもらったら困るぜ。と、聖☆おじさんとしてのルーツを再確認すべく、電気グルーヴのドキュメンタリー映画"DENKI GROOVE THE MOVIE"を初詣感覚で見てきました。なんせ12歳の時、近所の…

年越しカウントダウンパーリー@渋谷www

あけました。おめでとうございます。いくら聖☆おじさんとは言えども、大晦日は実家で紅白を見て過ごさないとと思っていたんですけどね。トヨタロックフェスでさらうんどを見てからイルリメに狂ってる妻が、どうしてもこのイベントに行きたいと。姑にどう思わ…

大掃除しながらトーベヤンソン・ニューヨーク聴いた。

年の瀬です。 忘年会、休日出勤、大掃除に年賀状。 大変忙しいわけよ、大人はさ。 でも、文化の香り高きサラリーマンであるワタシとしては、どんな時も素敵な音楽を忘れちゃダメよね、と入手したのが、ジャケットもハイセンスなトーベヤンソン・ニューヨーク…

サニーデイサービスの名古屋公演を観た

完璧なスリーピースバンドによる、完璧なロックコンサート。 それ以外に形容できない2時間半。 サニーデイのライブでまさかこういう感想を抱くとは思わなかったんだけど。 もともと再結成以降のサニーデイのライブには、曽我部ソロともソカバンとはまったく…

yeye、GREAT3、Lucky tapesの3マンを観に行ったサラリーマンの話

完全週休二日制という言葉がすっかり虚しく響く師走のデタラメ感。でも、こんなオレにもサンタがお歳暮を持ってきてくれた。ちょうど東京へ出張に出かけた日にGREAT3とLucky tapesとyeyeのライブがあるなんて。飲み会のお誘いを振り切って、ダッシュでスペイ…

ロックスターの美学と沖野俊太郎 "F-A-R"の話

やる気とか、本気とか、熱い気持ちとか、一般的に美徳とされる感情を出してもらうと困る人、というジャンルがある。ロックンロールの世界においては。 その分野における最高峰と勝手にワタシが思っているアーティストが、プライマルスクリームのボビー・ギレ…

ストリートデモクラシー2015とECD"Three wise monkeys" 後編

ECDの最新作に思いっきり吹っ飛ばされてしまった話の続き。 あらかじめ言っておくと、この作品の中に、反レイシズム・ファシズムといった、社会運動家としてのECDの主張は(少なくとも明確な形では)ほとんど感じられない。 そういう「正しさ」を真っ正面か…

ストリートデモクラシー2015とECD"Three wise monkeys" 前編

2015年もあっという間に残りわずか。 自由&民主主義を大切にしている人間にとっては、まったくひどい一年だった(2014年と同じように)。 せめてものなぐさめは、夏から秋にかけてのストリートデモクラシーの盛り上がり。 どうせまたスルッとインチキな法案…

ベイビー、歪んだままで構わないんだ。 GREAT3 "At Billboard live"

田舎に住む中年のワタシ。今年は一度もGREAT3のライブを観る機会が無かった。とても残念である。と、ガッカリしているところに届いたライブ盤。しかもBillboard TOKYOなんてシャレオツな会場。近所に住んでても縁がないかもしれない。しかしまぁ俺クラスにな…

サニーデイサービスじゃない方の"コーヒーと恋愛"

サニーデイサービスの"東京"に収録された楽曲と同名の小説を偶然に発見。 作者の獅子文六という人のことももちろん知らなかったけど、このタイトルにしてこの装丁(もちろん小田島等)、しかも解説は曽我部恵一が書いているとくれば、わたしのような者が買わ…

ドリーミー、BOSS先輩に男の生き方を学ぶ("In the name of hiphop")

おっさんの思い出バナシで恐縮ですが、2000年のフジロック、白昼のホワイトステージでブルーハーブのライブを観ることができたのはリスナー人生における僥倖の一つ。無名のラッパーが、ストイックなトラックに乗せた言葉だけで、気のない見物人を熱狂的なオ…

【ネタバレ注意】"ドルフィン・ソングを救え!"の感想(37歳・会社員の場合)

樋口毅宏の著書は、いままでに"タモリ論"、"さらば雑司ヶ谷"、"日本のセックス"を読んだ。同世代の人間として、サンプリングで文学を構築するという手法、その元ネタのチョイスには共感するものがあった一方で、作家として最大のストロングポイントは"日本の…

ブレイディみかこ著 "THE LEFT UK左翼セレブ"を読みました

チラッと見かけた「THE LEFT UK左翼セレブ列伝」なるタイトルを素通りすることはできなかった自称モリッシー育ちの私。イギリス在住の保育士、ブレイディみかこさんという方が、いわゆる左翼的というイメージの有名人の発言・生き様・それに対する世間の評判…

ミツメ、小田島、サニーデイ。アートワークってなんだ?

ミツメのCDジャケットはどれも気が利いていて素敵だなと思っている。 特に“ささやき”の公団っぽい集団住宅を写した写真。 何も起こらない退屈な日常の象徴。 でも、どこまでも無機的・規則的に並ぶベランダには、なにか隠された暗号があるかのような胸さわ…

プロレスにまったく興味のない俺がKAMINOGEを読まされた話

※今回は音楽とはまったく関係ない話です昔から、暴力的な性格なくせに、身体的な暴力そのものにはすこぶる弱い。先日も仕事に向かう途中、カラスが小さい鳥を襲っている現場に遭遇し、その日の仕事が手につかないほど動揺した。なので、暴力的なスポーツであ…

ブライアン、健太、そしてダニエルについて

少し古い話でありますが、夏休みにブライアン・ウィルソンの伝記映画"ラブアンドマーシー "を観た。ビーチボーイズはそんなにちゃんと聴いていないワタシですが、自分の葬式にはぜひペットサウンズを流してほしい。そんな身勝手なリスペクトをしています。な…

スカートは21世紀のシュガーベイブなんじゃないか、という話

スカートのCDが届いた。"ひみつ"と"First Waltz Award"の2枚。なんでこの二枚をチョイスしたのかわかんないんだけど、あの時はとにかく焦って注文したから仕方ない。ところでスカートって、てっきりバンドだと思ってたら、澤部渡さんという方のソロプロジェ…

ジュンパ・ラリヒとceroの"停電の夜に"

生まれながらのヘリクツ気質な上に、ひたすらヘリクツを吐きまくる仕事をしていることもあり、自分の書く文章からモワッとにじみ出るヘリクツ感がイヤで仕方がない。洒脱で、モダンな文体。いつかそいつを自分のものにしたいと思っている。そのためにはたぶ…

人間失格読んでGREAT3のことを考えた

出張シーズンが始まりまして。 土曜日なのに旅行客と一緒にボーッと新幹線乗ってます。 そんな旅のお供は太宰治の『人間失格』。 30代も後半になって、初めて読みました。 まさに恥の多い人生であります。 読んでる途中で、「これは完全に"Romance"の世界な…

元気のない夜に見るべきビデオクリップ

仕事も恋もうまくいかなくて、ついついキンミヤ焼酎の量も増えちゃうツラい夜。そんな人生のゆるやかな登り坂もこのビデオクリップを見れば乗り越えられるという鉄板の3本。深酒のお供に。(一応、前頭→大関→横綱、という順番です)やっぱバブルきついわ、景…

大阪にティルマンスの写真展観に行ったんやで

ワタシにとって、大阪という街には心理的に高い壁がある。 なんせ、橋下徹にやしきたかじん、和田アキ子と吉本新喜劇を生んだ街。 「東京生まれモリッシー育ち、ヘンクツそうなリベラルはだいたい友達」という俺とは文化的・政治的にまったく相容れない、と…

ミツメ・スカート・トリプルファイヤー "密造盤"を聴いた話

独居老人のひとりごと、というスタンスを長きにわたって(結果的に)貫いてきたこのブログ。読む人なんて今の俺と過去の俺しかいないはずだったのに、先日の「月光密造の夜」の感想文をアップした直後からアクセス数が急上昇。「これで俺も人気ブロガーの仲…

ミツメ・スカート・トリプルファイヤー "月光密造の夜"をオッさんが観た話

ceroのライブのMCで名前を知ったミツメってバンドの"eye"というアルバムをApple musicで聴いてみたら、とても良かった。そしたらちょうど名古屋で3バンドでライブをやるという情報をキャッチしたので、月曜日からクアトロに行ってきましたよ。とは言え、ミツ…

映画『ゴッド ヘルプ ザ ガール』を観てきました

ベルアンドセバスチャンのスチュアート・マードックの初監督作品を観てきました。普段、映画は全然観ないし、英語も分からないんですが、この映画のストーリーがありきたりなこととか、役者もあんまり上手くないこととか、演出もベタってことくらいは、まぁ…

曽我部恵一の弾き語りライブに行ってきた

曽我部恵一の弾き語りソロコンサートに行ってきた。 会場は名古屋市千種区の小さな円形劇場。 狭い会場で弾き語りなんてちょっと息苦しいんじゃないかしら、と思って行こうかどうか迷ったけど、サニーデイのライブ盤を聴いたらいてもたってもいられず、ギリ…

佐野元春 "Blood moon"が素晴らしい話

まったくもって生きづらい浮世ですよ2015。心の底からそう思う。あのすっとぼけた総理大臣とゆかいな仲間たちがやることなすことに、みんなが熱狂したり激昂したり迎合したり冷笑したり。それぞれの正義やら事情やらがいろんなところでぶつかり合って、真夏…

サニーデイサービス "The Birth of kiss"を聴いて

この間のceroのライブでもそう思ったし、超久々にStone Rosesのファースト聴いた時も思ったんだけど、やっぱりロックロールの命はリズム、なによりドラムですよ。ドラム良ければ全て良し、という格言が魚民のトイレの壁に書いてあるくらいですから。ストーン…

【長文・退屈注意】Apple musicがやってきた!ヤァヤァヤァ

ストリーミングとか全然興味なかったワタシですが、たまにはride on 流行!ということで、Apple musicを導入してみました。手順にしたがってやってみたんですが、この画面のまま固まったり、はっぴいえんどのアートワークが大川栄策に変更されたり…。などな…

15年上半期に聴いた音楽まとめ

気がつけば今年も半分が過ぎました。まだキャンプは一度も行ってません。Jリーグも1試合も見てません。それでもイベント2回やったし、ライブにもポツポツ行けたので、充実した半年と言えるかもしれない(その反動か、今は抜け殻感がありますが)。そして、月…

ceroのライブに行った感想

久々の更新。ceroのライブ@名古屋ダイヤモンドホールに行ってきました。ついこないだまでは、「cero?フィッシュマンズフォロワーだべ?」という先入観で、食わず嫌いしていたんですけどね。インド行ったり、最新作"obscure ride"の志の高さにやられたりして…

ceroとインドに行ってきた

先日、仕事でインドに行ってきました。灼熱すぎる気候の下、スパイシーすぎる料理を食べつつ、ワイルドすぎる人々の営みを目の当たりにして、これまで感じたことのないエキゾチシズムの洗礼を受けたんであります。そんな 旅のお供に、iPadの中に入れて連れて…

森・道・市場に行ってきました②

二日目は前日とはうって変わってビールがよく売れそうな晴天。 そして本日の目玉はなんと言ってもサニーデイサービスですよ奥さん。 集中して観たいので、ライブ開始の20分前にはステージ前に到着。 一瞬たりとも見逃すまいと、ビールの摂取は控えめに、尿意…

森・道・市場に行ってきました①

ここ数年、蒲郡の風物詩となっているイベント、森・道・市場に今年も行ってまいりました。 初日は予想に反して雨。 なかなかテンションも上がりませんが、まずは口ロロのライブに。 ステージにたどり着く前に私の大好きな”Twilight race "を演奏してしまった…

5月23日(土)@喫茶スロース "Good time music vol.2"を開催します

イベントやります。今回はゲストDJをお迎えするので、大船に乗った気持ちで臨むことができます。お時間ある方はぜひ!

ブックオフ編を振り返る 〜Cemetry gatesに佇んで〜

私はなぜ、ブックオフでCDを買うことに熱中していたのか。コストだけでは説明のつかない魅力をどこに感じていたのか。新品の時には等価であった作品たちが、需要と供給の荒波にさらされ続け、世間からも忘れ去られ、やがて打ち上げられる最後の場所。それが…

【総集編】今さらながらに、2014年ドリーミーアワード開催

前回で昨年買ったCDのレビューは終わりました(年初に買った一部は書いてませんが)。ブログのトップページにて、「ブックオフだけでどこまでリスナー生活を充実させることができるのか、という壮大な実験」と銘打っている以上、やはりその結論は出さなくて…

File100:佐野元春 "Visitors -Deluxe edition-"

ETV「ソングライターズ」を、ゲストの好き嫌いを問わず、毎週楽しみに観ていた私なので、この"VISITORS"を特集した「名盤ドキュメント」も当然ガッチリ観て、当たり前のように30周年記念ボックスが欲しくなってしまった。でも、1万円近くするしなー、とイジ…

番外編;Good time music vol.1を開催しました

2月14日のバレンタインデーに、蒲郡市は喫茶スロースにて、私が主催するDJイベント"Good time music Vol.1"を開催しました。イベントの全般の感想は、スロースさんのブログに書いたので、こちらではもう少し音楽面の所感を書いておこうと思います。まず、今…

File099:Donald Fagen "Kamkibriad"

去年買ったCD、118枚目。ブックオフ編はこれで14年ラスト。そしてそこに立ちはだかるドナルド・フェイゲン。あの歴史的名盤"The Nightfly"の魅力がよくわからなかった私にとって、まさにラスボス的存在であります。きっちり白黒つけようじゃないか、と聴いて…