ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

スカートVS曽我部恵一!世紀のタイトルマッチを観た話。

スカートと曽我部恵一の共演。それは私にとって、モハメド・アリVSアントニオ猪木戦にも匹敵するビッグイベントと言っても過言ではない。と同時に、このシンガーソングライター頂上対決において、どちらも無傷というわけにはいかないのではないか…という一抹…

関美彦のライブを見たことがあるかい?

関美彦というミュージシャンの名前は、熱心なサニーデイサービスのファン以外にはあまり知られていないかもしれない。 私がその存在を初めて知ったのは、曽我部恵一が99年に発表した"昨日、今日、明日"という本の中に収められたエッセイ。 住んでいたアパー…

Video tape music奇譚 「存在しない映像の世界について」

すでにその役割を終えて久しいビデオホームシステム、略してVHSは、約30年に亘るそのライフサイクルにおいて、9億台のデッキと300億本のテープが生産されたとされている。そんな人類の残した膨大な遺産(正か負は知らない)のコラージュによって音楽と映像を…

俺たちはサニーデイサービスを卒業することができない 。"東京"20周年記念ボックスについて。

サニーデイサービスの名作"東京"のリリース20周年記念ボックスセットが届いた。 何を隠そうレコードプレーヤーを持っていない私でありますので(ついでに言うと運転免許もAT 限定だ)、「待望のアナログ化」「〇〇周年記念ボックスセット」「レコードストア…

Chocolat & Akito meets Mattson2 @K.Dハポンに行ってきました

※一部セットリストが含まれてますChocolat & Akito meets Mattson2のライブに行ってまいりました。「名古屋、チケットがまったく売れてない」と5/1リゾームライブラリーの時に片寄氏がおっしゃっていたのでずいぶん心配していたものの、会場のK.Dハポンは満…

世界の終わりとハードボイルド天声ジングル! 相対性理論の新作について。

「天地創造あきらめて あれから世界はどうなった」 という問いかけから始まる相対性理論の3年ぶりの新作"天声ジングル"。 一聴すると、ポップミュージックの聴覚的快感を突き詰めたサウンドは今まで通りに健在で、さらにそこにロックバンドとしての生々しい…

子連れでロックする方法。森、道、市場2016に行ってました

今年も家族全員で森道市場に行ってまいりました。毎回、俺が飲みすぎたり酔っ払ったり泥酔したりする鬼門の野外フェスですけど、今年は無事に帰ってくることができたので、二日間の行程をゆるく(しかし内心ドヤ顔で)記録しておきます。<一日目>今年は時間…

Alfred Beach Sandal主催 Groove comedy Vol.3に行ってきました

アルフレッドビーチサンダルが主催のイベント"Groove comedy Vol.3"に行ってきました。おやじ狩りを警戒しながらセンター街をくぐりぬけ、渋谷wwwに潜入。お出迎えしてくれるDJはcero高城氏。なんせ大人気バンドのフロントマンですから、女の子がブースを取…

大海原を旅するような。Guiroのライブについて。

どういう運命のイタズラか、38回目の誕生日に、もう完全に諦めていたGuiroのライブを観ることができた。依然としてGuiroの音楽を形容する言葉を持たない私だけれども、この日のライブがどういうものだったのか?と聞かれれば、一言「大航海」とだけ言い切っ…

D.A.N.のデビューアルバムを聴きました。

www.youtube.com 最初にはっきりさせておきますが、このバンドのメンバーがまだ22歳とかいうハナシ、俺はまったく信じてませんからね! と、言いたくなるほどの、洗練された色気とオリジナリティ。 「ダンスとロックの垣根を超えた」という音楽は数あれど、…

リゾームライブラリーに行ってきました

図書館を会場にした音楽フェス、リゾームライブラリーに行ってまいりました。 何を隠そうこの会場、ワタシの家からその気になれば歩いていけるような場所にありまして。 こんな何もない田舎の街に、GREAT3、スカート、ミツメ、ネバヤンetc.が来てくださるな…

現代を生きる一人ぼっちのための、心優しいブルーズ。スカートの最高傑作"Call"について。

キテる!キテるよ、澤部君!!と、知り合いでもなんでもないのに背中をバシバシ叩きたくなるような全国的なスカートフィーバー。ワタシのようなにわかファンでもこんなに盛り上がってしまうのだから、長年応援してきた皆さんの気持ちたるやいかに、と言った…

めくるめくGuiroの世界にようやく辿り着いた話。

twitterで知り合った方から教えてもらったGUIROの音楽を初めて聴いたのは、家から駅までの道のりだった。iPhoneに繋がったイヤホンを通ってまず耳に飛び込んできたのは、美しいブラジル音楽を思わせるギターと、男女のハーモニー。なるほど、こういう高級で…

マーカー・スターリング@K.D ハポン

マーカー・スターリングのライブに行ってきた。全く予備知識のないミュージシャンだったのだけど、SNS上で音楽の好みが合う(と、こちらが勝手に思い込んでいる)方々が、すごく良かったと言っていたので。会場はK.Dハポン。この間のどついたるねんと同じ会…

スーパーフラット・コレクション展とHMV&BOOKS デザイン専門学校で感じたこと

ちょっと都会に出かけてきまして。ライブは行けなかったけど、素晴らしい二つのアート関連イベントに足を運んでまいりました。まずは、村上隆「スーパーフラット・コレクション」展@横浜美術館。その名の通り、村上隆の所蔵するコレクションを大公開してくだ…

IMAIKE GO NOW2016に行ってきました

最近のワタシがに最も楽しみにしていたイベント・IMAIKE GO NOW。 その名の通り、名古屋・今池近辺のライブハウス9会場で、61アーティストが昼から夜までライブを繰り広げるという、ロックおじさんにとってはディズニーランドをもはるかに凌駕する夢の国。 …

デモの戸惑い、大人の責任。新装クイックジャパンを読みました。

朝起きて、仕事に行って、ご飯食べて、夜寝るまで、「自分だけの意思だけ」による行動は、日々の暮らしにおいて、実はほとんどない気がする。 ご飯を食べるのは本能。 仕事は組織の一員として。 子供を風呂に入れるのは親としての役割。 それって100%自分の…

音楽に身を投じるということ。 ECD+illicit tsuboi ライブ@メテオティックナイト

学生時代、B-BOYの先輩に「ECDってどこがいいんすか?」なんて質問をしてた俺。 37歳になって、彼のライブを熱望することになるとは思わなかった。 そのきっかけとなったのは、今からちょうど半年前、dommuneのSEALDs特番で見たスタジオライブ。 まだリリー…

(俺の)夏はいってしまった どついたるねんのライブに潜入した話

会議室の時計は、午後7時を回ろうとしていた。伸び悩む売上と迫りくる年度末。会議が始まって5時間。局面を打開する妙案もなく、メンバーの眉間に刻まれた皺だけが深くなっていく。重すぎる空気の中、俺はトイレのために席を立った。ように見せかけて、その…

わたしとあなたの類なさ。その肯定。 植本一子 "かなわない"

初めて植本一子さんの写真を見たのは、去年の5月、ON READING(名古屋の文化的良心と言うべき本屋さん兼ギャラリー。この本の中にも出てくる)で開かれた、笹原清明氏との二人展「ハローグッバイ」だった。そこに展示されていた、かつての恋人の写真は、「私…

METAFIVEの火花飛び散るフレッシュ感について

すでにキャリアを確立したミュージャンが集まって結成された、いわゆるひとつのスーパーバンドってやつが、それぞれの本籍を上回る成功を収めた話って、あまり聞かない。ロックスター言えどもやはり人の子。大物同士が集まれば、遠慮・気遣いの一つもしてし…

あくまで芸術としての記録。 植本一子 "オーマイドーター"

先週は結局、石田家関連(ECD・植本一子)の本を5冊買った。なぜそうなったかというと、ワタシと妻が日替わりで植本一子の「オーマイドーター展」を観に行ったから。というわけで今回はその写真集「オーマイドーター」の話。その名の通り、植本一子が二人の…

子供、子育て、そして自分。 植本一子"働けECD"

2011年に出版された、写真家にして文筆家、そしてECDの妻である植本一子の育児(と家計)について書かれたブログをまとめた本。出張の道中で一気に読んでしまった。(ちなみに、出たばかりの「かなわない」は妻が買ったのでまだ読ませて頂いていない)2010年…

ストレイト・アウタ・コンプトンで気合いを注入されたある日

出張先で取引先にどつき回され、すっかりクサクサした気持ちになってしまったくたびれサラリーマンのワタシ。ウサ晴らしにキャバクラへ!という健全な中年男性的感性は持ち合わせていないので、ちょうど通りがかった映画館にイン。ちょっと気になっていた、"…

ヒップホップの初期衝動! Tha Bullshit "First shit"

SEALDsの中心メンバーとして知られるUCDこと牛田さんがラッパーとして参加しているヒップホップバンド・Tha Bullshitのファーストミニアルバム。なんせ何をやっても騒がれる2015流行語大賞受賞者。いくらSEALDsとは直接関係のないバンド活動とは言え、もしシ…

20年後の現在地。 サニーデイサービス"苺畑でつかまえて"

昨年末のツアーの余韻が濃厚に漂う中でリリースされた、サニーデイサービスのニューシングル"苺畑でつかまえて"。小田島等画伯による最高に鮮やかで愛らしいジャケットに包まれた2曲はいずれも、スピーカーから流れ出した瞬間から、目の前の世界すべてにソフ…

大雪の日にスカート、トリプルファイヤー、Ducktailsのライブを観た話

細かい事情は割愛するけど、ある雪の降った日に、俺は名古屋から新代田feverを目指して新幹線の車中にいた。そう、スカート、トリプルファイヤー、Ducktailsの3マンを観に行くために。俺には二つの不安があった。一つは、大雪のせいで大幅にダイヤが乱れた東…

山下達郎ライブ@長良川国際会議場を夫婦放談形式で振り返る(後編)

前回に引き続き、達郎ライブ経験初心者同士の、新春夫婦放談をお送りします。【ネタバレあり】です。 -芸術、職人芸あるいは神事の間で-女房「そういえば、"クリスマスイブ問題"以外 にも、MCでちょくちょく『熱心だけど通ぶったファン批判』をしてたね。も…

山下達郎ライブ@長良川国際会議場を夫婦放談形式で振り返る(前編)

人生二度目となる山下達郎のコンサートに行ってきた。わざわざ岐阜県まで足をのばして。ちなみに前回観たのは13年11月の名古屋センチュリーホール。最前列のお客さんを一喝して追い出してしまった伝説のライブ。ポップミュージック好きなら人生に一度は見に…

電気グルーヴとアンヴィル。二つの歴史を辿る旅。

俺が東京インディーの若い奴らに媚びてばかりの若づくりおじさんだと思ってもらったら困るぜ。と、聖☆おじさんとしてのルーツを再確認すべく、電気グルーヴのドキュメンタリー映画"DENKI GROOVE THE MOVIE"を初詣感覚で見てきました。なんせ12歳の時、近所の…

年越しカウントダウンパーリー@渋谷www

あけました。おめでとうございます。いくら聖☆おじさんとは言えども、大晦日は実家で紅白を見て過ごさないとと思っていたんですけどね。トヨタロックフェスでさらうんどを見てからイルリメに狂ってる妻が、どうしてもこのイベントに行きたいと。姑にどう思わ…

大掃除しながらトーベヤンソン・ニューヨーク聴いた。

年の瀬です。 忘年会、休日出勤、大掃除に年賀状。 大変忙しいわけよ、大人はさ。 でも、文化の香り高きサラリーマンであるワタシとしては、どんな時も素敵な音楽を忘れちゃダメよね、と入手したのが、ジャケットもハイセンスなトーベヤンソン・ニューヨーク…

サニーデイサービスの名古屋公演を観た

完璧なスリーピースバンドによる、完璧なロックコンサート。 それ以外に形容できない2時間半。 サニーデイのライブでまさかこういう感想を抱くとは思わなかったんだけど。 もともと再結成以降のサニーデイのライブには、曽我部ソロともソカバンとはまったく…

yeye、GREAT3、Lucky tapesの3マンを観に行ったサラリーマンの話

完全週休二日制という言葉がすっかり虚しく響く師走のデタラメ感。でも、こんなオレにもサンタがお歳暮を持ってきてくれた。ちょうど東京へ出張に出かけた日にGREAT3とLucky tapesとyeyeのライブがあるなんて。飲み会のお誘いを振り切って、ダッシュでスペイ…

ロックスターの美学と沖野俊太郎 "F-A-R"の話

やる気とか、本気とか、熱い気持ちとか、一般的に美徳とされる感情を出してもらうと困る人、というジャンルがある。ロックンロールの世界においては。 その分野における最高峰と勝手にワタシが思っているアーティストが、プライマルスクリームのボビー・ギレ…

ストリートデモクラシー2015とECD"Three wise monkeys" 後編

ECDの最新作に思いっきり吹っ飛ばされてしまった話の続き。 あらかじめ言っておくと、この作品の中に、反レイシズム・ファシズムといった、社会運動家としてのECDの主張は(少なくとも明確な形では)ほとんど感じられない。 そういう「正しさ」を真っ正面か…

ストリートデモクラシー2015とECD"Three wise monkeys" 前編

2015年もあっという間に残りわずか。 自由&民主主義を大切にしている人間にとっては、まったくひどい一年だった(2014年と同じように)。 せめてものなぐさめは、夏から秋にかけてのストリートデモクラシーの盛り上がり。 どうせまたスルッとインチキな法案…

ベイビー、歪んだままで構わないんだ。 GREAT3 "At Billboard live"

田舎に住む中年のワタシ。今年は一度もGREAT3のライブを観る機会が無かった。とても残念である。と、ガッカリしているところに届いたライブ盤。しかもBillboard TOKYOなんてシャレオツな会場。近所に住んでても縁がないかもしれない。しかしまぁ俺クラスにな…

サニーデイサービスじゃない方の"コーヒーと恋愛"

サニーデイサービスの"東京"に収録された楽曲と同名の小説を偶然に発見。 作者の獅子文六という人のことももちろん知らなかったけど、このタイトルにしてこの装丁(もちろん小田島等)、しかも解説は曽我部恵一が書いているとくれば、わたしのような者が買わ…

ドリーミー、BOSS先輩に男の生き方を学ぶ("In the name of hiphop")

おっさんの思い出バナシで恐縮ですが、2000年のフジロック、白昼のホワイトステージでブルーハーブのライブを観ることができたのはリスナー人生における僥倖の一つ。無名のラッパーが、ストイックなトラックに乗せた言葉だけで、気のない見物人を熱狂的なオ…

【ネタバレ注意】"ドルフィン・ソングを救え!"の感想(37歳・会社員の場合)

樋口毅宏の著書は、いままでに"タモリ論"、"さらば雑司ヶ谷"、"日本のセックス"を読んだ。同世代の人間として、サンプリングで文学を構築するという手法、その元ネタのチョイスには共感するものがあった一方で、作家として最大のストロングポイントは"日本の…

ブレイディみかこ著 "THE LEFT UK左翼セレブ"を読みました

チラッと見かけた「THE LEFT UK左翼セレブ列伝」なるタイトルを素通りすることはできなかった自称モリッシー育ちの私。イギリス在住の保育士、ブレイディみかこさんという方が、いわゆる左翼的というイメージの有名人の発言・生き様・それに対する世間の評判…

ミツメ、小田島、サニーデイ。アートワークってなんだ?

ミツメのCDジャケットはどれも気が利いていて素敵だなと思っている。 特に“ささやき”の公団っぽい集団住宅を写した写真。 何も起こらない退屈な日常の象徴。 でも、どこまでも無機的・規則的に並ぶベランダには、なにか隠された暗号があるかのような胸さわ…

プロレスにまったく興味のない俺がKAMINOGEを読まされた話

※今回は音楽とはまったく関係ない話です昔から、暴力的な性格なくせに、身体的な暴力そのものにはすこぶる弱い。先日も仕事に向かう途中、カラスが小さい鳥を襲っている現場に遭遇し、その日の仕事が手につかないほど動揺した。なので、暴力的なスポーツであ…

ブライアン、健太、そしてダニエルについて

少し古い話でありますが、夏休みにブライアン・ウィルソンの伝記映画"ラブアンドマーシー "を観た。ビーチボーイズはそんなにちゃんと聴いていないワタシですが、自分の葬式にはぜひペットサウンズを流してほしい。そんな身勝手なリスペクトをしています。な…

スカートは21世紀のシュガーベイブなんじゃないか、という話

スカートのCDが届いた。"ひみつ"と"First Waltz Award"の2枚。なんでこの二枚をチョイスしたのかわかんないんだけど、あの時はとにかく焦って注文したから仕方ない。ところでスカートって、てっきりバンドだと思ってたら、澤部渡さんという方のソロプロジェ…

ジュンパ・ラリヒとceroの"停電の夜に"

生まれながらのヘリクツ気質な上に、ひたすらヘリクツを吐きまくる仕事をしていることもあり、自分の書く文章からモワッとにじみ出るヘリクツ感がイヤで仕方がない。洒脱で、モダンな文体。いつかそいつを自分のものにしたいと思っている。そのためにはたぶ…

人間失格読んでGREAT3のことを考えた

出張シーズンが始まりまして。 土曜日なのに旅行客と一緒にボーッと新幹線乗ってます。 そんな旅のお供は太宰治の『人間失格』。 30代も後半になって、初めて読みました。 まさに恥の多い人生であります。 読んでる途中で、「これは完全に"Romance"の世界な…

元気のない夜に見るべきビデオクリップ

仕事も恋もうまくいかなくて、ついついキンミヤ焼酎の量も増えちゃうツラい夜。そんな人生のゆるやかな登り坂もこのビデオクリップを見れば乗り越えられるという鉄板の3本。深酒のお供に。(一応、前頭→大関→横綱、という順番です)やっぱバブルきついわ、景…

大阪にティルマンスの写真展観に行ったんやで

ワタシにとって、大阪という街には心理的に高い壁がある。 なんせ、橋下徹にやしきたかじん、和田アキ子と吉本新喜劇を生んだ街。 「東京生まれモリッシー育ち、ヘンクツそうなリベラルはだいたい友達」という俺とは文化的・政治的にまったく相容れない、と…