ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

梯久美子著「狂うひと」を読みました

植本一子がおすすめしていた(たしか)という安易な理由で読み始めた梯久美子著「狂うひと」。 島尾敏雄・ミホ夫妻の生涯を描いたドキュメンタリーであるのだが、あの「かなわない」をはるかに上回る、650ページ以上というボリュームにまず圧倒される。 こん…

サニーデイ・サービスの衝撃作「Popcorn ballads」のあれから

サニーデイ・サービスの衝撃作「Popcorn ballads」が突然リリースされてから二ヶ月が経つが、依然として私のプレイリストの最上位に鎮座し続けている。 当初は、(リリース当日に全曲レビューを書いてしまうほど)それぞれの楽曲の、あるいはリリース方法の…

とてもマイフェイバリットなOFTに子連れで行ってきた話

岐阜県各務原市で開催されている野外フェスOur favorite things。わりと近所だし、毎年魅力的なメンツでうらやましいなと思っておりましたが、今年初めて参加できました。 なんせ出演アーティストがサニーデイ、スカート、シャムキャッツにヨギー、D.A.NにST…

久々のライブハウスで生き返った話。VideotapemusicとOgre you assholeのツーマンを観ました。

久々にライブハウスに行った。久々と言っても二ヶ月間が空いたくらいの話なので大したブランクではないのだけれども。 理由はいくつかあって、もちろん仕事がダラダラと忙しいことが主たる理由ではあるのだが、どうもいまひとつ心身のコンディションが整わな…

小田島等の歩き方 「1987/2017」

小田島等の個展@LIVERARY OFFICEに行ってきた。 今さら説明するまでもないことだけれど、小田島等と言えばサニーデイ・サービスのアートワークを長年にわたり一手に引き受ける盟友的存在であり、最近ではシャムキャッツのジャケットやレーベルロゴのデザイン…

日常こそがロックンロール。 シャムキャッツ「Friends again」

シャムキャッツの新作「Friends again」を聴きました。 過去二作の小田島等によるぶっ飛んだアートワーク(最高)から一転、サバービアな温度感が素敵なジャケットと歌詞カードがまず素晴らしい。CDで手に入れて良かったなと思わせる力があります。 さて「AF…

サニーデイ・サービス「Popcorn bllads」全曲レビュー。

昨日、正確には今日の夜、突如としてリリースされたサニーデイ・サービスの新作アルバム「Popcorn ballads」。 小沢健二と小山田圭吾が再び歌を取り戻し、D.A.NやYogee new wavesを始めとする新鋭が次々と傑作をモノにしていく、この2017年に投下された全22…

【お知らせ】フリーペーパー「A Frozen boy, days in love」を発行しました

こんにちは。ドリーミー刑事です。 突然ですが、この2ヶ月ほどチマチマ作っていたフリーペーパー「A forzen boy, days in love」が完成しました。 A4両面、オール白黒の超絶にチープなやつです。 サブタイトルを「おいぼれのためのディスクガイド」としたよ…

2017年の決定盤現わる! Yogee New Waves「WAVES」

もし誰かに「今年1枚しかアルバム買えないとしたら?」と聞かれたら、俺は迷わずこのアルバムを勧める。 そう断言できるほど、2017年のど真ん中を貫く、大傑作である。 この作品は偉大な先人たちが耕した豊かな音楽的土壌を受け継ぎ、そこに新たな果実を実ら…

子連れでロックする方法2017 森、道、市場に行ってきました(後編)に

(前編からの続き) 森道2日目。 初日とはうって変わっていい天気。 晴れてるけど、そこまでギンギラでもなく、風も穏やか。それにしても2日目は超充実のタイムテーブル。 10:30から始まるトップバッター青葉市子×detune.から19:50終了予定のceroまで全部観…

子連れでロックする方法2017 森・道・市場に行ってきました(前編)

今年も当地方における最大のお祭り・森道市場に行ってきました。 というわけで、家族連れの観点でのレポートを…と思ったのですが、1日目の天気はこんな感じ。 どう考えても子供(9歳と6歳)の体力がもたないだろうと判断し、祖父母宅にてお留守番という結論…

京都インディー虎の穴「三面楚歌」に行ってきました

今俺が最も、頼むからもっとその歌を聴かせてくれ!と熱望しているバンド、台風クラブ。 しかしこの一年で出た作品は、全て一曲か二曲しか入っていない7インチかコンピアルバムのみ。 しかも4月にリリースされた「相棒」は7インチオンリーだと言うから、アナ…

「第六回 月光密造の夜」に行ってきました

ミツメ、スカート、トリプルファイヤーによる「月光密造の夜」が開催されると知ったのは、たしか3月下旬。 ほぼ決まっていたゴールデンウィークの予定を光の速さで変更し、一路東京へ。 だってあの月光密造の夜ですからね…。万難を排して行きたいじゃないで…

前野健太「100年後」を読みました

ネクタイを締めて不安を押し殺し、もっともらしい顔をして、遠方のお客さんのところに向かうべく、特急電車に乗っている。新しい職場に移って半年。依然として俺は相変わらず空っぽのまま。空っぽの自分に、ポップミュージックを注ぎ込み続ける毎日。 道中で…

2017年4月11日 cero presents cero×GUIRO

大変なモノを観たという興奮と、最高に楽しかったという喜びと、夏休みが終わってしまったような寂しさが、胸に去来しております。 そう、4月11日。ceroとGUIRO。バンド名も、エクレクティックな音楽性も通じ合う、二大バンドの共演した夜のことです。 まず…

The Wisely brothersのライブを観ました

というわけで、急遽やってきましたThe Wisely brothersライブ@K.Dハポン。 京都から来たThe Fullteenzと2マン、と思ったらハポン。ってバンドとの3マンだった。会場と一緒の名前だから気がつかなかったぜ…。 でも、そんなハポン。はちょっと面白いバンドだっ…

The Wisely brothers 「HEMMING EP」を聴きました

今年に入ってから、SaToAやShe saidにGo-Gosなど、新旧を問わず、女性ボーカルのイカしたバンドの音源を耳にする機会が多い。 中でもThe Wisely brothersのデビュー作「ファミリー・ミニアルバム」を聴いた時の衝撃はデカかった。 「予期せぬ妊娠」というテ…

IMAIKE GO NOW 2017に行ってきました

今年もやって来ました、悪い大人のネバーランド・IMAIKE GO NOW2017。 「パン屋じゃない、日本人なら和菓子屋だ!」とおかみから怒られる時代に、真昼間からライブハウスをハシゴしてロックンロールを聴きまくろうというのだから、なんたる非国民の集まりか…

シンクロニシティの肯定  サニーデイ・サービス(とラブリーサマーちゃん) 「桜 SUPER LOVE」について

「君がいないことは 君がいることだな」 愛する人の不在、その受容と再出発を、たったワンフレーズで表現しきってしまった名曲が、桜の咲く季節に届いた。 長き不在の続く岡崎京子のイラストを大胆にあしらった、ピンク色のジャケットに包まれて。この意表を…

まともがわからない。  こだま著「夫のちんぽが入らない」について(ややネタバレあり)

夫のちんぽが入らない 作者: こだま 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2017/01/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (16件) を見る 「夫のちんぽが入らない」を読みました。 この本の良さは、夫のちんぽが入らないというセンセーショナルなカミングア…

「松倉と勝と光永と継吾」とTRIOLLIのライブを観た話

今年二度目の金山ブラジルコーヒー。「松倉と勝と光永と継吾」のライブを観に。 去年観たceroのライブで光永渉氏のドラムにいたく感動した私。その光永氏と共にAlfred beach sandalをサポートする岩見継吾氏もベースで参加するバンドがやって来る。しかも対…

さよなら、ムッシュ

ムッシュが逝ってしまった。 高校生の頃に「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」を初めて聴いて以来、 「何かに凝ったり狂ったりすればするほど、君は一人の人間として幸せな道を歩いているだろう」 というムッシュのメッセージはいつも心のどこかに生き続け…

小沢健二「流動体について」について

小沢健二のファーストアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」は間違いなく俺の人生で最も再生回数が多い作品。 15歳の時にリリースされたこの作品に、俺の思春期は救われた、と断言してもいい。 だから、なのか、しかし、なのか。 「LIFE」以降のオザケン…

音楽の本質とはこれいかに? スティーブ・ウィット著「誰が音楽をタダにした?」

「誰が音楽をタダにした」を読みました。噂に違わぬおもしろさでした。 音声圧縮技術であるMP3の開発者、世界最大のレコード会社のCEO、そのレコード会社のCDプレス工場で発売前の新譜を違法アップロードし続ける労働者。 この三人の視点から、ゼロ年代の音…

研ぎ澄まされた言葉たち ECD「何もしないで生きてらんねぇ」

ECDの「何もしないで生きてらんねぇ」を読んでいる(発売日に買った植本一子「家族最後の日」は妻に取り上げられてしまった)。 曽我部恵一、寺尾紗穂、鴨田潤。そして最近では澤部渡もそうだったのだけれども、素晴らしい文章を書くミュージシャンはたくさ…

土岐麻子「PIINK」に大人の本気を感じた件

土岐麻子の新作「PINK」が素晴らしい。 思えば、これまでの彼女の作品には、ハイクオリティーかつ、いい意味での余裕と言うか、あらかじめ消費されることを想定した余白のようなものが準備してあったように思う(それがシリアスすぎる音楽ファンとの距離感に…

エリザベス・ペイトンを観て岡崎京子のことを考えた日の話

先週の土曜日、スカートのライブに先立って、ちょうど原美術館で開催されていたエリザベス・ペイトン展に行ってきました。 何年も前から画集を買うかどうか定期的に(Amazonとかでオススメされるたびに)迷っていたアーティストなのです。 会場には人物画を…

宇宙・日本・渋谷WWW スカートワンマンライブに行ってきた話

愛知県からはるか300キロ、スカートワンマン@渋谷WWWに行ってきました。 どうしてもこの日のワンマンだけは観ておきたかったのだ。 その理由はいくつかある。 このところのどうしようもなく退屈な生活を生き抜くための希望が欲しかったこと、最新作「静かな…

トヤマタクロウ DAYS GONE展に行った話

16年のアート納めは、風邪でボロボロの身体を引きずって訪れたトヤマタクロウの写真展「Days gone」でした。 トヤマ氏と言えば、一昨年の夏、初めてミツメのCDジャケットを見た時からずっと気になっていた写真家。 今回の展示はまさにそのミツメと一緒に回…

体温のある歴史 寺尾紗穂著 「南洋と私」

2016年における数少ない後悔の一つが、名古屋であった寺尾紗穂のライブに行けなかったこと。 今年はチャンスがあるかしらと思いつつ手に取った「南洋と私」。 日本統治下のサイパンで繰り広げられた日米の戦争について、当時サイパンで暮らしていた人々の証…