ドリーミー刑事のスモーキー事件簿

バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle

【ご報告】Sons of Nice Songs Vol.1を開催しました!

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ご報告が遅くなりましたが、Sons of Nice Songs Vol.1大盛況のうちに終了しました!

 

それにしても、金曜も日曜も晴れなのに、イベント当日の土曜日だけ雨。
おまけに午前と午後にわりと強めの地震が起きたりして、「果たして本当にお客様は来てくれるかしら…。無事にイベントを開催できるのかしら…」と不安でしたが、蓋を開けて見れば当初の予定を上回る多くのお客様にお越し頂きました(はるばる東京からお越し頂いた方も!)。

 

さすがリーファンデと東郷清丸をチェックしているような皆さんはね、よくわかっていらっしゃるんですよ。
ロックンロールの神様は雨の日の小さなハコに降りてくるということを…。

 

トップバッターは東郷清丸さん。
昨年発表したデビュー作『2兆円』は読売新聞でも取り上げられるわ、アジカンのGotch氏主催の「Apple Vinegar Award」にノミネートされるわ、まさにシーンの台風の目である清丸氏。
この日はリズムマシンエレキギターを組み合わせたソロセットで出演してくれました。

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やけにコンパクトな黒いギターとトレードマークである赤いスウェットの組み合わせが、すでにただ者ではない雰囲気をビンビンに醸し出しており、否が応でも高まるお客さんの期待。

 

(彼が所属する)テンテイグループの『サンキスト』からスタートしたライブは、
あだち麗三郎、池上かなえという手練のミュージシャンと共に繰り出す稲妻のようなバンドサウンドとは対照的に、優しさと妖しさの境界線を自由にたゆたう歌とギターが最高に気持ちいい。

屋根裏部屋のような雰囲気のカゼノイチで聴く『Super Relax』につい昇天しかけましたが、主催者の責任感でなんとか地上に戻ってきました。


私を含め、多くの人がズッポリはまる東郷清丸の魅力の一つは、鳴らす音、放つ言葉の全てに、求心力と遠心力が同居しているところ、そのスリルにも似た快感にあるのではないかと思っています。

 

例えばアルバム『2兆円』の冒頭を飾る『ロードムービー』の

「目を覚ます頃には 着いてると思うから
寝ててもいいよ本当 毛布でもかけて」

という素直に読めば優しさ100%の歌詞も、彼の口から出た瞬間に、どこか微妙なねじれや、そこはかとない不安感を伴って響いてくる。

 

そうした彼だけが持つ触媒的魔術が最も端的に発揮されたのが、ツアーファイナルで共演するスカートの『静かな夜がいい』のカバー。

大人になりきれない純粋な主人公の姿が浮かぶ澤部渡氏の歌詞が、清丸氏が歌った瞬間に後戻りできないほど深い夢の中に連れていかれるような世界に生まれ変わっておりました。
原曲を聴いたことのある方はさぞ驚かれたのではないかと思います。

私も本番前のリハで聴いた時は、しばらくこれがスカートのカバーであることに気づかず、ついご本人に「完璧に自分の歌になってますね!」と伝えたところ、「ええ。『静かな夜がいい』ってタイトルにしようと思ってます」と言われたことをご報告しておきます。

 

そしてライブだからこそより鮮明に伝わる清丸氏のもう一つの魅力は、独特のリズム感というか、身体性のようなものだと思うんです。歌というか、発声そのものに、足腰に訴えてくるグルーヴがある。

 

特にこの日はバンドではなくリズムマシンが鳴らすチープで無機質なリズムがゆえに、逆に清丸氏の肉体に宿っている天性なファンクネスが際立って伝わってきたと思います。
おもちゃみたいなドラムマシンをフィーチャーしたスライ&ザ・ファミリーストーンの歴史的名盤『暴動』を思い出しました。

 

そうかと思えばパワーポップ戦隊主題歌とでもいうような『インサツレンジャー』、この日が初披露となった新曲『よこがおのうた』で、ふっと童心を差し出してみたりと、一体どんだけ引き出しあるのよこの人は…と底知れなさを堪能した1時間でありました。

 

来月また森道市場でライブが観れるのがめちゃくちゃ楽しみです。Never Ending Stageに全員集合してください!


そして我が盟友・二宮浩輔さん(4/28にカゼノイチでライブイベント主催します)の素晴らしいDJに続いては、R&B楽団Lee &Small Mountains率いるリーファンデさん!f:id:dreamy_policeman:20180420010726j:image


清丸さんとは対照的にギター一本で登場(ちなみにこの日のギターは曽我部恵一さんが使っていたものとのこと)。

ちょうど一年前の4月、ローズレコーズからリリースされた7インチ『Teleport City』を偶然手にして以来、その繊細にしてファンキーダイナマイトな魅力にヤラレっぱなしだった私。まさか一年後にこういうことになるとは夢にも思いませんでした。

 

一曲目はその7インチのB面に収録された名曲『山の中で踊りましょう』。
大切な人との間に生まれてしまった溝を乗り越えようする若者の成長譚のようなナンバー。

 

短いイントロの後、

「君はもうあの日 僕と一緒に目指した山はもう登らないわと一人降りていったね」

とリーさんが歌い出した瞬間に、もう鳥肌が立ち、涙腺が緩みましたよ…。

 

ライブを観るのはこれで三回目で、もちろん過去二回が素晴らしい歌だから今回お招きしたわけですが、あれこんなに凄かったっけ…と呆然としてしまうほど、全身からほとばしるパッションが鮮烈でした。そう、それこそ曽我部恵一氏と肩を並べるような…。


東郷清丸さんが片時も目が離せない変幻自在の魔球を投げるピッチャーだとすれば、リーさんの投げる球は聴き手のハートのど真ん中に飛び込む160キロのストレート。

そう書いてしまうと、なにやら単純で暑苦しいなものように聞こえてしまうかもしれないのだけれども、私のようなヘンクツおじさんの心にも深く刺さるのは、やはりそこに重層的な魅力があるから。

 

清涼感のある、時に小さな子供が叫んでいるようにすら聞こえるほどにイノセントな歌声。
そして切なさの中にもどこかユーモアを感じさせるソングライティングと、ギター一本の歌の向こう側にバンドの音を感じさせる豊かなグルーヴ。


こうした要素すべてが重なりあった瞬間、カゼノイチにいるみんなのハートに火がついたのを俺は見逃さなかったぜ…。

 

そしてこの日わかったことがもう一つ。
それは彼が歌の中に多くの政治的なダブルミーニングを潜ませているということ。


その内容はもしかするとデリケートなことかもしれないので具体的には書かないけど、国境をまたぐ困難を引き受けた上でなお、「わかりあう」「好きになる」と歌う彼の強さ。

「38度のあつい熱さまして

あの川渡って 君が住む南の街まで
そこで同じテーブルの上で
新しい時代さ Sweet Soulで幕開けさ」

という『山の中で踊りましょう』の歌詞の意味を知った時の衝撃と感動よ。


俺はずっとこの人のことを佐野元春忌野清志郎の間に生まれたソングライターだと思っていたのだけれど、音楽面だけではなく、社会的メッセージをビシッと織り込むという点でも通じるものがあったのかもしれない。

 

そして「どうしても今日歌いたいんです」と泣かせるセリフの後に披露してくれたたくさん新曲も素晴らしかった。前作『カーテンナイツ』に比べると、ロックンロールの香りが強くなった印象で、新たな旅の予感に胸が躍りました。


さて、熱くて、優しくて、なにより最高に楽しいライブは夜の安城を疾走するような『Teleport City』で終了。

…と思いきや、お客さんからの拍手は鳴り止まず、まさかのアンコール『しようよ』で大団円。しびれました。


ライブ後はアフターパーティー。
最高のバックビートをスピンして下さったのは西三河の文化的灯台バナナレコード岡崎店店長のDJ真木朗さん。
このブログの副題が少しだけ叶ったような気がして感無量でした。

 

というわけで、風雨にも負けずにお越しくださった皆様、素晴らしいライブを披露して下さったリーファンデさん、東郷清丸さん、親身にサポートしてくれたカゼノイチをはじめ応援してくださった友人、レコードショップ、ライブハウスの皆さん、本当にありがとうございました。


またお会いしましょう!

 

東京からお越し頂いた方のブログです。

東郷清丸に関する学術論文のような重厚さ。ぜひご一読を!

slglssss.hatenadiary.jp

 

積年の決着をつけるために坂口恭平を観に行った件

 

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高学歴かつ男前。

本を出したり絵を描いたりCD出したり総理大臣になったり。

天から与えられた二物三物を闇雲に振り回し続けている坂口恭平という人には、一物にも恵まれなかった同い年の人間として、(図々しくも)若干の嫉妬と、(失礼ながらも)いささかなの胡散臭さを感じながら、興味深く、かつ遠巻きに眺めていた。

 


しかしある時、ワタリウム美術館で初めて彼の絵を目にした瞬間、ざわっと鳥肌が立つ感覚に襲われ、やっぱこの人は天賦の才に恵まれすぎた人なのかもしれないと思い、ますますこの謎めいたキャラクターに興味がわいてしまったのです。

 


よって今回はライブを観ると言うよりは「坂口恭平とは何者か」ということを確かめてやるぜ、という謎の意気込みで会場の金山ブラジルコーヒーに向かった。

 
入店前にSNS用の写真を撮影しようとスマホを看板に向けてシャッターボタンを押した瞬間、「ワッ!!」という大きな声と共に誰かに背中を押された。

 

写真がブレてしまったことと、いい年してインスタ映えを狙った写真を撮る姿を見られた恥ずかしさから、若干のいら立ちを覚えながら後ろを振り返ると、そこには知り合いでもなんでもない、坂口恭平本人の邪気のない笑顔が。

 
「今日、満員だけど大丈夫?入れる?」と彼は長年の友人ような口調で聞いてきたのでつい、「ああ、俺は予約してるから大丈夫」とタメ口で答えるワタシ。普段から敬語と警戒心を解かないドリ刑事なのに…。

 
他愛もないイタズラと言ってしまえばそれまでなんだけど、こちらの肩の力を見透かしたような自由な振る舞いに、のっけからものすごく濃厚な坂口恭平感を食らったような気分だった。

 

そんなハプニングを経て始まったライブは、これまたある意味で期待を裏切らない、未だ体験したことのない時間となった。


この日は喉の調子が悪かったようで、冒頭に本人が「今なら返金するよ」というくらいにガラガラの声。プロの歌という意味ではまったく不合格である。


しかしその崩れ落ちそうな歌たちを支えるのが、寺尾紗穂、厚海義朗(from GUIRO)、菅沼雄太という腕利きミュージシャンたち。

声の調子に合わせて、その場でどんどん変えていくセットリストに対応しながら、彼が天真爛漫に振る舞える土台をがっちり作り上げ、会場の熱をグングン上昇させていく。

特に初めて観る寺尾紗穂の歌とピアノはやんちゃな孫悟空を見守る三蔵法師の如き慈悲深さで、今までライブを見逃し続けていたことを深く悔やむほどだった。

 
そんな仲間の努力を知ってか知らずか、MCになるとハイテンションで喋り続けてしまう坂口氏。

早口すぎて半分くらいは聞き取れなかったんだけど、現実と想像、本当と嘘という厚くて高い壁を軽々と越えていく話が次から次へと湧き出てくる(内容は差し障りがあるので書けない)。

 
それを妄想と切り捨ててしまうことは簡単なんだけれども、果たしてそれでいいのだろうか。現実の本当の世界に生きている(と信じている)俺の常識が果たして絶対と言い切れるだろうか。

 
そう、ボーカリストの声が出てないからって歌が歌えないわけじゃない。演奏し始めた曲を途中でやめたってかまわないし、勝手に新しい政府やゼロ円ハウスを作ったっていい。

 
お前の定規ですべてを測れると思うなよ。

 
そんなことを教えられた夜だった。

 


さて、いよいよ開催まで約1週間!

まだ残席があるのが世界七不思議の一つと言われる最高なイベントです!!終演後のアフターパーティも(チャージフリー)合わせてぜひ遊びに来てください!

 


-Sons of Nice Song vol.1 -

日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00

出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸

DJ:二宮浩輔(KENNEDY!!!)、真木朗(バナナレコード岡崎)

 


会場:Book cafe & bar カゼノイチ

料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円

(いずれも+1ドリンク)

ご予約は以下のホームページまたはメール、twitterからお願いします。

予約用web https://reserva.be/dreamy1

メール dreamycop2010@gmail.com

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3/23 ミツメ「Tour Esper2018」 @伏見JAMMIN'

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長い長い刑期が満了し、人間らしい生活にようやく復帰できました。
Life is comin’ back.

そして

Spring has come.
待ってたぜ…。

 

さて、シャバに出て何を一番やりたいか。
飲酒、爆睡、爆食。。。
思いつくことはいろいろあるわけですが、私の場合はやはりライブ。

ちょうどミツメのワンマンが開催されるということで、堂々と定時で会社を後にして向かったのは伏見Jammin’
去年、orga your assholeとVIDEOTAPEMUSICのライブを観たところですね。

 

開演ギリギリに滑り込むと、思いのほか男性率が高い。
しかもみんなシュッとしててミツメ感のある髪形だ。前髪がないのは俺だけ…と若干の疎外感を覚えたところでDruutti Column『Sketch for Summer』と共にミツメ登場。

 

彼らのライブを観るのはなんと去年の5月以来。
でも川辺素君の髪は今日もツヤツヤだし、メンバーみんな猫背だし、相変わらずのミツメでとても安心した。

 

しかし、「コース」から始まったこの夜のパフォーマンスは、相変わらずのミツメではなかった。

ボーカルはより伸びやかに、ギターはより立体的に、そしてリズムは安定感を増している。
可動域、解像度、処理速度、バンドとしてのスペックがぐっとアップデートされたように感じたのです。

例えるなら、アナログ放送がデジタル放送に、ハイビジョンが4Kになった感じとでも言えばわかって頂けるでしょうか。

え。わからない?

では、あの川辺氏のMCがいつもの十倍くらいの文字数だったと言えば、その自信と充実の程が伝わるのでは。

 


今回のツアーはシングル『エスパー』のリリースに合わせたものなので、過去曲もたくさん。というか、まさに春のミツメ祭りというべきヒットパレードなセットリスト。
特に一番好きな「Fly me to the mars」を聴くことができて感無量だった。

 

そして中盤に披露されたまだタイトルのない二つの新曲。
一方はどこかボサノバなそよ風を感じるリズムとメロディが、そしてもう一曲は(ミツメにしては)ハードなブレイクビーツ感が印象的な曲で、来る新作が楽しみになった。

 

しかしこの日の白眉はなんといってもツアータイトルに冠された『エスパー』。
あのキラッと揺らめくイントロが鳴った瞬間に、身体と心をイナズマに貫かれたような感覚は一体なんと呼べばいいのか。
まだ出たばかりの曲なのに、ずっと昔から聴いているような、まさにESPを内包した名曲だなぁと改めて感じました。


さて、ざばーっとミツメの歴史を駆け抜けた約2時間。
私にとってミツメというバンドの魅力を一言で表すならば、「まだ誰も聴いたことのない、でも誰の心にも引っかかるポップソングを探求し続けている姿勢」にあるのではないか。
そんなことを考えながら、春風吹く名古屋を後にした次第。

 


さて、ミツメもいいけどこちらも最高!というわけで宣伝です。
ワタシが人生をかけて企画したイベントです。終演後は最高のDJをお招きしてアフターパーティを開催します(チャージフリー)。
ぜひ遊びに来てください!

 

-Sons of Nice Song vol.1 -
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
DJ:二宮浩輔(KENNEDY!!!)、真木朗(バナナレコード岡崎)

会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)
ご予約は以下のホームページまたはメール、twitterからお願いします。
予約用web https://reserva.be/dreamy1
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リーファンデ、その青き炎の温度について

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出張のため新幹線に乗っています。
たしか一昨日も先週も乗ってたと思うんですけどね…。

 

自らの業務量の最適化(怠ける、サボるとも言う)にかけては右に出る者なしを自負する私ですが、この年度末ショックに伴うブラックな荒波から逃れることはできなかった。
行きたいライブも我慢して、女房子供もほったらかしで、朝から晩まで平日も週末も泣きながら働いております。

 

そんな日々の中で、通勤BGMにはソウルとかジャズとかファンクとか、ブラックミュージックのリズムを欲することが多い。

やはりそのルーツが過酷な労働に遡るから、なんでしょうか。

 

そして気がつけば、リーファンデさんと東郷清丸さんをお迎えしてお送りするイベント「Sons of Nice Songs Vol.1」まであと1ヶ月となりました。

 

というわけで今回は、若きソウルボーイ・リーファンデ(Lee & Small Mountains)がいかに素晴らしいシンガーソングライターかということをお伝えしたい。

 


そもそも私がイベントを企画しようと思ったのは、去年の11月、下北沢でリーさんのライブを観たから、と言っても過言ではない。

昨年1月にリリースされた超名盤『カーテンナイツ』の熱量はそのままに、みずみずしい情景が鮮やかに広がっていく歌を聴いて、「これはもっと多くの人に聴いてもらわなければならないヤツだ…」と勝手に昂ぶって、その場でオファーしてしまったのです。

なんというか、聴く者の一番熱くて最も繊細な部分に、ダイレクトに触れてきて、何かをかきたてる力があるのですよ、彼の歌には。


例えばこんな歌。

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一人の若者が世界に向き合う時に生まれる、かぎりなく青い緊張感。
些細なことに傷ついたり、迷ったりしながら、それでも前に進もうとする決意。
そういうものを、さりげない言葉で綴られた歌詞や、力強いメロディーから感じるのです。

そりゃ傍らで見つめる曽我部恵一さんも思わず「いい感じだね」とつぶやいちゃいますよ…。

 

そして曽我部恵一と言えばこの動画も。
「カーテンナイツ」の監修(プロデュースではなく)を務めた曽我部氏からのアドバイスを聞くリー青年のチャーミングな佇まいよ。

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リーファンデさんの音楽を「〇〇を好きな人にオススメ!」みたいな言い方もできるんだけど、できればそういう言い方はしたくない。
なぜなら、〇〇が好きな人にも、××が好きな人にも、△△が好きな人にも聴いてもらいたいし、聴いたら絶対に好きになってもらえると思うから。

 

そういう歌なんです。
4月14日、ぜひ聴きにきてください。

 

 


-Sons of Nice Song vol.1 -
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)

ご予約は以下のホームページまたはメール、twitterからお願いします。

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北山雅和「TYPOGRAFFITI 2」@阿佐ヶ谷voidに胸を熱くした件について

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北山雅和「TYPOGRAFFITI 2」を観てきました。

 

前回の「TYPOGRAFFITI 」展は、大阪のpulpで観て、これは2015-16年という時代の象徴であり、そこに生きる私たちをデザインの力でエンカレッジする作品だ、と心を大きく前に動かされたことをよく覚えている。

 

SEALDsの活動や、ECDのドネーションステッカーで一連の作品を目にしている人も多いかもしれない。


その続編が、私が敬愛してやまない小田島等氏が新たにオープンした阿佐ヶ谷のギャラリーvoidで観れるというのだから、足を運ばない理由はなかった。

 

ギャラリーに入って右手には、前回のテイストを引き継ぎ、その意味と意匠を拡張させた作品が。
そして左手にはネクストチャプター感に溢れ
、これまでとは趣の異なる、大胆に鏡を用いた作品が並ぶ。

この二つの壁とその狭間に立つ私たちという構図が、2015年から2018年の世界そのものを表している気がして、まずぶっ飛ばされる。

そして左側の、新境地とも言うべき作品たちは、使い古されたはずの「言葉」から既視感だけを完全に取り除き、ポジティブな本質だけを抽出した前回の作風とは、まさにネガポジの関係にある。


鮮やかで大胆なメッセージは影を潜め、目を凝らさなければ見えない、考えなければ読み取れないモノトーンのメッセージが暗号のように鏡の上に展開されている。

そしてその暗号を読み解こうと作品を見つめれば、否応なしにその自分自身の姿が目に入ってくるという構図になっている。

 

それはまるで、税金をかすめ取り、事実を改竄し、権力維持装置として戦争をしかけるビッグブラザーばかりが跋扈する2018年において、君はこのメッセージをちゃんと読み取ることができているか?どう向き合おうとしてるのか?と鋭い問いを発しているようである。

 

だがしかし、たぶんここからが一番大切なことだと思うんだけど、その作品たちの佇まいはどこまでもクール。非の打ち所がないほどに研ぎ澄まされた仕上がり。つまりめちゃくちゃカッコいい。

 

誰がなんと言おうと、私たちは私たちが思う美しさを追い求める。自由に、想像力がおよぶ極限まで。
それこそが戦いであり、そのための戦いでもあるのだから。

そんなメッセージを感じて、俺はまた大きな力を得たような気持ちでギャラリーを後にしました。

 

 

 

 

さてここからは宣伝です。
いよいよ来月開催となりましたSons of Nice Songs、略してサンソン。まだまだ予約お待ちしております。


Sons of Nice Song vol.1
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)

ご予約は以下のホームページまたはメールからお願いします。

予約用web https://reserva.be/dreamy1
メール dreamycop2010@gmail.com

 

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生きてて良かったの会。 曽我部恵一バンドのライブを観た話。

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年が明けてからというもの、とても不本意ながら過労死認定ラインを超える感じの忙しい日々が続いている。
なので平日18時半開演というこの日のライブも完全に諦めていた。
この俺が、曽我部恵一が、曽我部恵一バンドで5年ぶりに名古屋に来るのに前売りも買っていないなんて!コトの異常さを分かって頂けるのではないでしょうか。


でも時計の針が18時を回った瞬間、やっぱりすべてを投げ出してでも行った方がいいぞ、という神の啓示が聞こえたような気がして(くたびれすぎた末の発作とも言う)、「土日にがんばります!今日は帰ります!!!」と有無を言わさぬテンションで宣言し、あっけに取られる上司や同僚を尻目に会社を飛び出した。

 

開演時間をとっくに過ぎて、クアトロに到着。
受付でまだソカバンが始まってないことを確認してからチケットを買い、フロアに滑り込む。

そして超久しぶりに観た曽我部恵一バンドは、最新モードを完璧に着こなすサニーデイとは対照的に、あの頃のラフでボロくてパンクな服をそのまま着たような音だった。
なので当然その服は、メンバーが年齢を重ねた分だけ似合わなくなっていて、お世辞にもスマートとかスタイリッシュと言えるものではない。
でも言い換えるなら、そのちょっと不恰好なギャップこそが、みんなが刻んできた年輪であり、今も戦い続けてる証明でもある。
だったらまるごと全部、祝ってあげようぜ。人生全部を褒めてやろうぜ。
穴開きのコンバースで、でたらめなステップで。

 

そんな風に思いっきり背中を叩いてくれるようなライブだった。


思えば曽我部恵一バンドが最初のアルバム「LIVE」をリリースした2005年から、今のところのラストアルバム「トーキョーコーリング」を出す2012年までの7年間はそのまま、俺の実生活におけるストラグルの季節と重なっている。
氷河期をくぐり抜けて就職した会社で小突かれたり小突き返したりしながら、リーマンショックを乗り越えて、東日本大震災に打ちのめされて、子供が二人も生まれたり。

音楽の世界もCDがどんどん売れなくなっていったし、90年代に名を馳せたバンドもすっかりいなくなってしまい、なんだか暗くなる一方だったような気がする。

 

そんな中で、曽我部恵一が小さなライブハウスでも、デカいロックフェスでも、常に「LOVE-SICK」で120パーセントの熱情を込めて歌う”Everything gonna be alright”というメッセージの切実さと頼もしさ。あるいは「抱きしめられたい」や「魔法のバスに乗って」の、どうしても逃れることのできない孤独や不安に寄り添ってくれるような優しさに救われた夜のこと。


この上なく楽しそうに、でも何かを叩きつけるように演奏する大塚さんやオータさんの顔見ていたら、そんな記憶と感情がブワーっとフラッシュバックしてきて、「シモーヌ」のサビではもう顔を上げられないくらい感極まってしまった。
あぁ、今日もキモくてすみません…。

 

でもキモくてもダサくても、明日も朝から仕事しなきゃいけなくても、なんとか生きてきて良かったじゃん。今も死にそうだけど。
あの頃よりは少しは賢くなっただろうし、これからもなんとかやっていけるんじゃないか。

明日からのリアルな生活に直結する勇気をもらうという意味で、この日のソカバンは本当に特別だった。

 

 

“青春は終わるものだが、終わってもなお青春は、人生の一部であるのだから”

雑誌ユリイカサニーデイ特集にフミヤマウチ氏が寄せた文章を思い出し、帰りの地下鉄でまたちょっと泣いた。

 

(ここからは宣伝です)
さて、この日のライブでもフライヤーを配布してもらったSons of Nice Songs、略してサンソン。絶賛予約受付中です!よろしくお願いします。


Sons of Nice Song vol.1
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)

ご予約は以下のホームページまたはメールからお願いします。

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清丸ショックに名古屋が揺れた日。東郷清丸のライブを観てきました

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 奥さん!見た?
あれよ、アレアレ。清丸よ!きーよーまーる!!

って感じで、もう衝撃的!という言葉しか出てこないライブでしたよ…。

 

もうすこし箱庭的というか宅録的な演奏かと思っていたのですが、あんなに心と身体にグイグイ迫ってくる歌と演奏とは!思いっきり裏切られました。もちろんいい意味で。

 

編成は東郷清丸がボーカルギター、ベースに池上かなえ(ゴロニャンずの人だ!)、ドラムにあだち麗三郎という編成。

 

まず驚かされるのが、「ロードムービー」の歌詞よろしく、闇夜を妖しく切り裂いていくような、時にソリッドで時にサイケデリックなギター。めちゃめちゃ上手い!
さらにオーセンティックなロック/フォークのフォーマットを更新するような、明らかにヒップホップ、ネオソウル以降を感じさせる黒くてタイトなリズム感。
そして、ギターを手に立つ佇まい、あるいは身体を軽やかに揺らす姿から漂う、デビューアルバム出したばかりの若者とは思えないオーラと圧倒的な歌唱力。

 

まだツアーが続いているので具体的な曲名は書きませんが、ポップミュージックとの出会いに、驚きや興奮を求める人は今すぐ全員観に行った方がいいです。ホント。東京でも仙台でも神戸でもいいんで。

 


(はい、ここからは宣伝です)
ここまで読んで「しまった、見逃した!」というあなた。大丈夫。4月にまた清丸氏は愛知に来ますよ!新安城は金山から名鉄で20分。うん、近い!ご予約お待ちしております!


-Sons of Nice Song vol.1 -
日時:4/14(土) Open18:30 Start 19:00
出演:リーファンデ(Lee&Small Mountains)、東郷清丸
会場:Book cafe & bar カゼノイチ
料金:予約2000円 当日2200円 学割1500円
(いずれも+1ドリンク)

ご予約は以下のホームページまたはメールからお願いします。

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